自転車道の整備は沿道の事業者の業績に有意な貢献 アメリカの6都市14道路を対象にしたポートランド州立大学の研究で判明
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- アメリカ・オレゴン州にあるポートランド州立大学の交通研究教育センターが、自転車道の整備は沿道の事業者の売り上げや雇用状況の向上に貢献するとの研究結果を明らかにした。
- 研究では、ポートランド、シアトル、サンフランシスコ、メンフィス、ミネアポリス、インディアナポリスの6都市にある整備区域14経路を対象に設定し、おおむね2009年から2014年にかけて調査を実施。主な結果として、以下の3点を挙げている。
- 道路の改良は、沿道事業者の雇用や売上に良い影響を与えこそすれ、致命的な打撃を与えることはない。
- アクティブな移動のためのインフラ(歩道や自転車道)が新たにつくられることで最も利益を受けるのは、飲食サービス業。自転車道の整備のために自動車道や駐車帯が撤去された経路でさえも、飲食業店舗の売り上げや雇用状況は上向いた。
- 小売業も、歩道や自転車道の整備でいくぶん利益を受ける。調査した14経路中9経路で、小売店の売り上げや雇用に良い影響が見られた。それ以外の2経路では影響がみられなかったほか、3つの経路では良い影響と悪い影響が混在する結果となった。その要因を詳しく分析するためのさらなる研究がまたれる。
- 自転車道の整備が沿道のビジネスに及ぼす影響について、複数の都市でこれほど継続的な調査がなされたのは、この研究が初めてだという。自転車道の改良についてはこれまで、沿道にある店舗への来客を難しくし、売り上げを減らす可能性があるとの懸念が投げかけられることが多かった。
- 新型コロナウイルス感染拡大防止措置の一環として、ニューヨークやパリ、ロンドン、ミラン、ベルリンなど世界各地の都市で臨時の自転車道整備が進められており、今回の研究成果はそうした政策決定の後押しになりそうだ。
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ポートランド州立大学のリリース記事
Portland State study finds bike lanes provide positive economic impact
https://www.pdx.edu/news/portland-state-study-finds-bike-lanes-provide-positive-economic-impact
2020/04/22/Portland State University