新型コロナで消費生活はどう変容するか IBMが米国の2万5千人を対象に行った調査で明らかになった5つのこと

米IT大手IBMが、新型コロナウイルス(COVID-19)が消費行動に及ぼす影響を測るため、アメリカ合衆国に暮らす成人2万5千人を対象として4月に調査を実施。その結果をこのほど公式サイトで発表した。主な結果は以下の5点。

1.公共交通機関やライドシェアサービスを敬遠

バスや地下鉄など公共交通機関を日常的に利用していた人の20%以上が、今後は利用するつもりがないと回答。また、28%が利用頻度を減らすと答えている。
ライドシェアサービスについては、利用していた人の半数以上が利用頻度を減らすか、利用を完全に止めると答えた。一方でタクシーについては、今後利用しないと答えた人は24%にとどまっている。

2.自家用車は利用増の一方で先行き不透明により買い控えも

17%以上の人が自家用車の使用を増やすと答え、およそ4人に1人は唯一の交通手段であると回答。
一方、回答者の3分の1が、COVID-19による制限緩和後に自動車の購入を決断するかどうかは、自身の経済状況の制約如何が大きく左右すると答えた。また25%以上は、世界経済やアメリカ経済の先行きへの自信のなさが購入の判断に影響を与えると回答し、少なくとも6カ月間は買い控えると答えた人も約25%程度に上った。

3.密集イベント参加には否定的だがオープンスペースや大型施設の訪問には寛容

外出自粛令緩和後の大規模イベント等への参加に関する質問では、回答者の半分以上が、2020年中は大きな人込みを避けるつもりであると答えている。特に対面式のカンファレンスや見本市については75%が参加に否定的な姿勢を示している。
一方で屋外の公園については3分の1が利用する可能性が高いと答えたほか、約25%はビーチに行くつもりだと回答。また5人に1人は大型商業施設での買い物を予定していると答えている。

4.実店舗での購入意欲が高いほか地産地消意識の高まりも

感染防止のため、40%近くが買い物の際にモバイル端末やクレジットカードなどによる決済を利用するつもりだと回答。食料品や清潔用品など生活必需品について、調達のために直接店を訪れると回答した人は全体で75%を超えたが、(シアトルやポートランドなどを含む)北西部では、購入はオンラインで済ませ自宅などに配達を依頼することを選択する割合が他地域よりも高かった。
また、地元の店で地元産の商品を購入することが増えたと回答した人は25%に上っており、地消への優先度の高まりがうかがえる。

5.リモートワークは混乱収束後も維持を希望

COVID-19による混乱が収まっても、雇用者はリモートワークを続けられる選択肢を労働者に提供するべきかという問いに対しては、40%近くの回答者が強く同意。また、75%以上が少なくとも時折はリモートワークを続けたいと答えているほか、54%がリモートワークを基本としたいと考えており、関心の高さがうかがえる。

詳細

IBM Study: COVID-19 Is Significantly Altering U.S. Consumer Behavior and Plans Post-Crisis

https://newsroom.ibm.com/2020-05-01-IBM-Study-COVID-19-Is-Significantly-Altering-U-S-Consumer-Behavior-and-Plans-Post-Crisis?stream=transportation

2020/05/17/IBM

記事をシェアする

タグ:
公開日:2020/05/17/最終更新日:2020/05/18
学芸出版社では正社員を募集しています
学芸出版社 正社員募集のお知らせ