連載『月刊日本の団地~時代を映すダンチ12選~』vol.7 観月橋団地
前回までこのコラムでは、Vol.1~Vol.3で黎明期の団地を紹介し、Vol.4~Vol.6で、その後の進化した団地を紹介してきました。団地建設に懸けた当時の技術者たちの「夢」と「熱量」を感じていただけたのではないでしょうか。
そして時は流れ2000年代。21世紀に入ると、全国の多くの団地が建設から50年を過ぎました。どの団地でも老朽化が目立ち始め、高齢の居住者ばかりになり、空き家も増えました。戦後の住宅不足という社会課題解決のために産声を上げた団地は、今では新たな社会課題と対峙することになったのです。
その結果、解体されて建て替えられた団地も多かったのですが、なかには建て替えるのではなく、昔からある団地を活用しようとする新たな挑戦も始まりました。
「団地再生」と呼ばれる取り組みです。
連載『月刊日本の団地~時代を映すダンチ12選~』vol.4 芦屋浜高層住宅
今回までvol.1『西長堀アパート』、vol.2『千里青山台団地』、vol.3『スターハウス』と紹介してきました。これらは1950~1960年代の建設で、「ダンチのはじまり」を象徴する黎明期の団地でしたが、
団地の設計や建設が円熟期に入ると、さまざまな新たな試みの団地が生まれるようになります。今回から紹介する3つの団地は1970~1990年代の建設で、よくあるハコ型の団地とはカタチもコンセプトも大きく異なる、いわば「進化したダンチ」です。
今回は、工業化工法(プレファブリック工法)で建設された未来的デザインのダンチ、『芦屋浜高層住宅』を紹介します!
連載『月刊日本の団地~時代を映すダンチ12選~』vol.3 スターハウス
前回紹介した千里青山台団地では、当時の設計士たちが工夫を凝らし、コンパクトなボックス型住棟を建設しました。ボックス型住棟は上から見ると正方形をしていますが、Y字形をしている「スターハウス」と呼ばれる住棟もあります。スターハウスは団地愛好家の間でも人気の住棟ですが、近年は建て替えにより解体されたものも多く、今では希少な存在です。
前回の最後に日本住宅公団が1958(昭和33)年に建設した、スターハウスを2棟合体させた全国的にも珍しいダブルスターハウス『東長居第二団地』を紹介すると予告しましたが、現在は所有者が変わっており、残念ながら現在の管理者から掲載の許可が得られませんでした。そこで今回は、スターハウス全般について紹介します!
連載『月刊日本の団地~時代を映すダンチ12選~』vol.1 西長堀アパート
団地愛好家の有原です。突然ですが、「ダンチって古い・・」と思っていませんか?いえいえ、いま団地ではさまざまな新しい取り組みが行われているのです。団地は建設時の社会の様相を映す鏡であると同時に、現在の取り組みはこれからの都市課題を解決するヒントにもなります。今月から、私がお薦めする秀逸な団地を紹介していきます。建設当時の人々が団地に託した夢・・・。いまの団地で団地再生に奮闘する人々・・・。私と一緒に、新しい発見と感動の旅に出ませんか?第1回目に紹介するダンチは、あの司馬遼太郎・野村克也など多くの文化人が愛した『西長堀アパート』です!