フランス都市部で進む自動車の速度制限強化 すでに200以上の自治体が30km/hへの引き下げ実施

フランスの中心的な都市で、自動車の速度制限を強化するルール変更が進んでいる。

南西部の都市ボルドーではこのほど、域内ほぼすべての道路における自動車の速度制限を、従来の50km/hから30km/hに引き下げる措置を施行。大通りや波止場付近の幹線道路を除く、全体の約89%が対象となっている。

引き下げの目的は、道路の安全性向上や、騒音・公害の低減、また自転車道のためのスペース確保など。

制限の導入にあたりPierre Hurmic市長は、ボルドー市内における自動車の平均走行速度は14km/hで、市内を移動するには平均15km/hの自転車のほうがはるかに速いと指摘。また、2050年までに温室効果ガス排出量を6分の1にしなければならないことなど、必要性を主張した。

フランスではほかに、パリ、リール、ナント、グルノーブルなど、約200の都市が、主要な市内道路における制限速度の引き下げを実施。

仏紙Midi LibreTurboなどの報道によれば、フランス南部モンペリエ市の交通・アクティブモビリティ担当副市長のJulie Frêche氏は、速度を直接的な要因とする死亡事故が70%減少すると主張。

WHOは、50km/hで走行する自動車と衝突した際の歩行者の死亡リスクが80%であるのに対し、30km/hではわずか10%になるとする統計データを公表しており、先の発言はこれを念頭に置いているとみられる。

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