パリ市内のほぼすべての道路で自動車の制限速度が30km/hに 住民の支持を得て施行スタート
パリ市内を走るほぼすべての道路で、自動車の速度制限を30km/hとする措置が30日にスタートした。
なお、シャンゼリゼ通りは従来通り50km/h、また環状に走る高速道路(ブルヴァール・ペリフェリック)は同70km/hで、措置の対象からは除外されている。
同市は昨年6月、通勤・通学・買い物といった街の機能に誰もがどこからでも15分以内にアクセスできる都市(いわゆる「15分圏都市」(La ville du 1/4h))構想の2024年までの実現を公約に掲げたアンヌ・イダルゴ市長が再選。
今年1月には、シャンゼリゼ通りを1.9kmのストリートガーデンに大規模改修する計画を承認したほか、路上駐車場の半減や自転車専用道路の増設などを積極的に進め、歩行者・自転車中心の都市への転換を目指している。
Mister Turbo社が公開している調査結果(8月20日~24日にかけて1,008人を対象に実施)によれば、61%の住民が今回の措置に賛成。
また回答者のうち71%は、この措置により、子どもや高齢者、自転車利用者といった弱い立場にある人々にとって、道路がより安全なものになると考えていると回答。
さらにほとんどの回答者が、騒音や郊外の抑制、さらには気候変動の抑制にもつながる効果的な策であると考えているという。
フランス公共健康局(Santé Publique France)の発表によれば、人為的なPM2.5などによる大気汚染を要因とする死亡者数(premature mortality)はフランス全体で年間4万8千人超に上っており、対策が急務となっている。
詳細
Paris passe à 30 km/h lundi : les habitants de la capitale plutôt favorables
30 km/h et réduction de la place de la voiture : les Parisiens plutôt favorables mais divisés
https://www.mister-turbo.com/fr/contenu/151-exclusif-etude-circulation-limitee-a-30-km-h-dans-paris
The mortality impacts of fine particles in France
関連情報
フランス・パリの象徴「シャンゼリゼ通り」をストリートガーデンに変える計画 パリ市長が承認
https://book.gakugei-pub.co.jp/paris-champs-elysees-garden/
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Cover Photo by Alexander Kagan on Unsplash