温暖化に対する人間の影響は「疑う余地がない」と報告 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書

  • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC※)による第6次報告書のうち、「第1 作業部会報告書(自然科学的根拠)」について「政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドライン・ステートメント)」が、環境省から公表された。
  • 報告書では「気候の現状」について「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。としており、これまではあくまでも“高い確率で影響がある”としてきた温暖化への人間の影響について、はじめて断定する報告となった。
  • また、「将来ありうる気候」の項目では、「世界平均気温は、本報告書で考慮した全ての排出シナリオにおいて、少なくとも今世紀半ばまでは上昇を続ける。向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21 世紀中に、地球温暖化は1.5℃及び2℃を超える。」と、まず気温上昇について述べられ、その進行に直接関係して気候システムの変化が拡大するとした。
  • 「将来の気候変動の抑制」の項目では、「自然科学的見地から、人為的な地球温暖化を特定のレベルに制限するには、CO2 の累積排出量を制限し、少なくともCO2 正味ゼロ排出を達成し、他の温室効果ガスも大幅に削減する必要がある。メタン排出の大幅な、迅速かつ持続的な削減は、エーロゾルによる汚染の減少に伴う温暖化効果を抑制し、大気質も改善するだろう。」とした。

※人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画 (UNEP)により設立された組織
(出典:気象庁「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/index.html))

詳細

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第I作業部会報告書(自然科学的根拠)の公表について

(2021/08/09|環境省)

http://www.env.go.jp/press/109850.html

『IPCC AR6/WG1報告書の政策決定者向け要約(SPM)の概要』

http://www.env.go.jp/press/109850/116628.pdf