健康・快適なZEHのつくり方
工務店と設計者の新常識

一般社団法人 ZEH推進協議会 編/荒川 源・今泉太爾・小山貴史・金田真聡・小林直昌・高橋 彰・晝場貴之・松尾和也 著

内容紹介

急速に普及するネット・ゼロ・エネルギー・ハウス:ZEH。本書は、その概要と関連諸制度、高断熱住宅設計の第一人者による具体的な設計指南など設計に役立つ内容はもちろん、快適性や健康効果の解説など施主のニーズを引き出す知識も丁寧にまとめた。全国の工務店の先進事例も掲載。住宅産業で他社と差別化するには必携の一冊

体 裁 B5変・152頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2695-5
発行日 2019/02/10
装 丁 フルハウス


目次著者紹介まえがき

まえがき

1章 全国の先進ZEH事例

case 1
平屋で段差・温度差なしのダブルバリアフリー……アイ・ホーム㈱
case 2
木の香りに包まれる超高断熱ZEH……㈱低燃費住宅九州
case 3
ギリギリではなく、ゆとりをもたせた都市型ZEH……五光ハウジング㈱
case 4
家の周りの微気候を整え、採り入れる……相羽建設㈱
case 5
コンパクトな間取りの低燃費住宅……㈱アールデザイン
case 6
日射をコントロールした超高気密・高断熱住宅……㈱WELLNEST HOME
case 7
寒冷、積雪、低日照でも快適な三世帯住宅……㈱リアルウッド
case 8
断熱・気密と創エネを徹底した住みやすい北の家……棟晶㈱

column 1 ドイツと日本の家づくりの違い

2章 ZEHの住まいのつくり方

2-1 ZEHの基礎知識

ZEHとは?/ ZEHのメリット/ ZEH実現のコツ/ ZEHの普及に向けた政策

2-2 高断熱で夏は涼しく、冬は暖かい住宅

高断熱化による健康メリット/高断熱化で夏は涼しく、冬は暖かい住宅とは?/高断熱化と
併せて考えたい高気密化

2-3 高効率設備でエネルギーを上手に使う

高効率給湯設備/省エネ換気/高効率空調設備/高効率照明(LED)で快適に省エネ/ HEMSで
スマートな節約/住宅用蓄電池としてのEV導入

2-4 エネルギーをつくる(太陽光発電システム)

太陽光発電システムとは/太陽光発電システムの発電の仕組みと種類/太陽光発電の施工につ
いて/太陽光発電、ZEH採用の現状/ ZEH提案の最難所、太陽光発電導入の課題

column 2 ドイツのエネルギーシフトと住宅・建築

2-5 ZEHの計画と設計

一次エネルギー消費量と外皮性能の計算プログラム/躯体性能と設備性能とのバランスの考え方

2-5資料編 地域別ZEH基準の適合仕様例

・UA値0.28(計算値)| 1・2地域の例
1地域 更なる強化外皮基準(旭川)、2地域 更なる強化外皮基準(札幌)
・UA値0.38(計算値)| 3・4・5地域の例
3地域 更なる強化外皮基準(盛岡)、4地域 更なる強化外皮基準(仙台)
5地域 更なる強化外皮基準(新潟)
・UA値0.46(計算値)| 3・6・7地域の例
3地域 強化外皮基準(盛岡)、6地域 更なる強化外皮基準(東京)
7地域 更なる強化外皮基準(宮崎)
・UA値0.56(計算値)| 4・5・6・7地域の例
4地域 強化外皮基準(仙台)、5地域 強化外皮基準(新潟)、6地域 強化外皮基準(東京)
7地域 強化外皮基準(宮崎)

column 3 ドイツの既存住宅の高断熱化

3章 健康・快適なワンランク上の住まいをつくる

3-1 快適な環境を実現するプランニング

夏と冬の太陽の威力を正確に理解する/等時間日影図を使った設計手法/無駄をつくらない
小さく納まる設計手法/気密の注意点/その他の具体的な設計上のポイント

3-2 これからの住宅とエネルギー

30年で建て替えは当たり前ではない/忘れてはいけない耐震性能/デザインを取るか、性能を
取るかに終止符をうつために/太陽光発電の今後/卒FITと2019年問題/ FITとは何を目指し
た制度だったのか?/卒FIT後の売電価格/卒FIT買取価格、8円前後か?/今後の給湯器は
ヒートポンプで決まりか?/ EVの導入による自家消費率の向上

column 4 気候変動対策と世界の動向

column 5 ドイツのプラスエネルギーハウスと再生可能エネルギー

付録 ZEHに関する諸制度

建築物省エネ法/省エネルギー性能表示努力義務/ BELS/ BELS工務店/ ZEHビルダー/プランナー制度

編者

一般社団法人 ZEH推進協議会

国の政策目標であるZEHの普及に貢献する事業者を支援するために設立された民間団体。経済産業省のZEHロードマップ検討委員会にも参画。会員として一般会員(ZEHビルダー・プランナー)、賛助会員(メーカー、流通等)、協力会員(業界団体等)により構成され、ZEHビルダー会員約230社の新築戸建住宅の年間供給戸数は約1万棟を超える。

著者

荒川 源(あらかわ・げん) [担当:2-3、2-4、3-2]

1980年兵庫県生まれ。2007年、工業・化学系業界専門誌の出版社へ入社、2011年に太陽光発電システム業界専門誌の編集長就任。2014年、㈱アスクラストを設立、『月刊スマートハウス』を創刊。2017年、(一社)ZEH推進協議会 理事・事務局長に就任。

今泉太爾(いまいずみ・たいじ) [担当:2-2、3-2]

1978年生まれ。2001年、東海大学工学部卒業。(一社)日本エネルギーパス協会代表理事。築年数で価値が決まってしまう日本の建物評価制度に疑問を持ち、世界基準のサスティナブル建築開発に邁進。国土交通省不動産流通活性化フォーラム、住宅のエネルギー表示の在り方の研究会委員、日独国土交通省共同プロジェクト委員、長野県環境審議会地球温暖化対策専門員などを歴任。

小山貴史(おやま・たかし) [担当:まえがき、全体監修]

1964年熊本県生まれ。1987年、京都大学工学部卒業。2004年エコワークス㈱(福岡市)を創業。(一社)ZEH推進協議会代表理事、経済産業省ZEHロードマップ検討委員会委員、環境省クールチョイス省エネ住宅WG委員。著書に『未来の子どもたちを守る家─ゼロ炭素社会の住まいづくり』(創樹社)。

金田真聡(かねだ・まさと) [担当:コラム]

1981年生まれ。2007年、法政大学大学院修了。ドイツ・ベルリン在住。建築家。建設会社設計部に5年間勤務した後、2012年からドイツ・ベルリンに移住し現地設計事務所に勤務。2016年に日独を結んで活動する設計事務所EA partnersを設立。2018年に持続可能な建築・街づくりを目指す人材育成・コンサルティング会社ASOBU GmbHをドイツ・ベルリンに設立。

小林直昌(こばやし・なおまさ) [担当:2-5]

1961年福島県いわき市生まれ。1983年、日本大学建築学部卒業。1983年から建築設計活動を開始し、主に戸建住宅においてエネルギー・温熱環境の設計活動を行う。

高橋 彰(たかはし・あきら) [担当:2-1、2-2、全体監修]

1966年生まれ。1989年、千葉大学工学部建築工学科卒業。住まいるハウジング㈱代表取締役社長。㈱リクルート、㈱UG都市建築、㈱三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、日本ERI㈱省エネ企画推進部副部長、㈱WELLNEST HOME等を経て現職。(一社)ZEH推進協議会運営委員、(一社)日本エネルギーパス協会広報室長、(一社)クラブヴォーバン企画室長。

晝場貴之(ひるば・たかゆき) [担当:2-5、付録]

1976年生まれ。2001年、日本大学大学院工学研究科修士課程修了。都内の設計事務所、及び地元岩手の建設会社にて営業・設計・現場管理を担当した後、2007年より日本ERI㈱勤務。現在、評価企画部主査。全国で省エネ住宅に関する勉強会やセミナーを行っている。

松尾和也(まつお・かずや) [担当:3-1、3-2]

1975年兵庫県出身。1998年、九州大学工学部建築学科卒業。㈱松尾設計室代表取締役、(一社)パッシブハウスジャパン理事、JIA登録建築家APECアーキテクト。「健康で快適な省エネ建築を経済的に実現する」ことをモットーに、設計活動の他、住宅専門紙への連載や「断熱」「省エネ」に関する講演も行なう。受講した設計事務所、工務店等は延べ6000社を超える。2009年パッシブハウスジャパン設立。2005年「サスティナブル住宅賞」受賞。著書に『ホントは安いエコハウス』(日経BP社)、『新しい家づくりの教科書』『これからのリノベーション』(共に新建新聞社)。

2015年に開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)において全世界の国々により採択されたパリ協定では、今世紀後半までに人為的な温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出ゼロを目指すことが合意されました。産業・運輸・業務・家庭(住宅)等あらゆる分野において脱炭素化が求められており、とりわけ現在新築されている住宅は長寿命化が著しく今世紀後半においても使用されると予測されることから、ZEH等の省エネルギー性の高い住宅の普及は喫緊の社会的課題となっています。

2014年に閣議決定されたエネルギー基本計画において「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標が設定されています。経済産業省はその目標達成のために2015年にZEHロードマップをとりまとめました。さらに、2017 年7月に ZEHロードマップフォローアップ委員会が設置され、2020 年目標の達成に向けた進捗状況に係る評価、および2030 年目標の達成 に向けた課題と対応の方向性等について整理した新・ZEHロードマップが2018年に取りまとめられています。
そのZEHロードマップで定めた施策を実現するために公募された「ZEHビルダー」の登録は7023件(2018年11月28日現在)となり「ZEHビルダー」が供給する住宅は国内の新築戸建住宅市場の過半と推定される等大きな広がりを見せています。

ZEH の新築件数は、2017 年度には約4万3000件となり、注文戸建住宅を主体として順調に増加しています。国土交通省や環境省においても、ZEHを支援する事業が実施され、3省が連携してZEHの普及に取り組んでいます。2017年4月からは建築物省エネ法に基づくBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)においてZEHマークの表示が始まりZEHの普及施策は益々加速している状況です。
多くのハウスメーカーにおいて、温暖地における ZEH 仕様が標準ラインナップに位置付けられており、工務店等においても、標準的な仕様における ZEH の実現が広がりつつあります。加えて、このような状況 を反映し、ZEH に係る要素技術の低コスト化・高性能化も進みつつある状況です。

これらの国のZEH普及施策や民間住宅事業者の積極的な取り組みを背景に、ZEHビルダー等の事業者を支援しZEHの普及促進を図ることを目的とし、有識者・団体・事業者の有志により、2017年に(一社)ZEH推進協議会を設立し、活動を開始いたしました。

2017年度に約4万3000件と急速な普及を見せたZEHですが、一方で実績のなかったZEHビルダーが全体の過半を占めると報告されており、新築注文住宅のZEH率50%超という2020年の政策目標の実現に向けては大きな課題があります。2018年に公表された新・ZEHロードマップにおいては、ZEHビルダーの主な題として「建築技能者を育成できなかった」「消費者理解を得る提案・営業ができなかった」等が指摘されています。
このような状況を踏まえ、本書では、とりわけ新築注文住宅に掛かる事業者の「建築技能者を育成できなかった」という課題を解決するために、健康・快適なZEHのつくり方に関する基礎知識から、差別化できるワンランク上のZEHの設計手法までを一流執筆陣がわかりやすくまとめています。ZEHビルダー、ZEHプランナーの方々がより積極的にZEHに取り組むために、本書がお役に立てば幸いです。

一般社団法人 ZEH推進協議会 代表理事 小山貴史

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