世界自然遺産に日本の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が登録決定 候補から18年
- 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が世界遺産一覧表に記載されることが決定した(自然遺産)。2021年7月16日からオンラインで開催されている第44回世界遺産委員会拡大会合で2021年7月26日に採択された。
- 日本は、2017年と2019年の二回、同地域を推薦していた。しかしながら、2017年には「更なる取り組みが必要」との評価を受けて推薦を取り下げ、2020年の委員会は新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた。候補地となってから18年、関係者の取り組みがやっと実を結んだ。
- 記載にあたっての評価下記のとおり。
【記載基準】
生物多様性【評価の内容】
本資産は、資産が位置する列島の中部および南部の独特で豊かな生物多様性の生息域内保全において、極めて重要な自然の生息地を包含している。
- 今回の決定に際し、日本に対して環境の保全をめぐるいくつかの要請があった。西表島に関しては特に、観光計画の改善が求められている。
a) 特に西表島において、観光の収容能力とその影響に関する厳しい評価が実施され、改定観光管理計画に統合されるまでは、観光客の訪問レベルを現在のレベルに制限する、または現在のレベルより減少させること。
b) 絶滅危惧種の交通事故死を減少させるための交通管理措置の有効性を緊急に見直し、必要な場合は強化すること(アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナを含むがこれらに限定しない)
c) 可能な場所では、強固な人工的インフラから、水流回復、植生回復、多様な生息地の形成をもたらすような、自然に基づく技術や再生アプローチの採用に移行するために、包括的な河川再生戦略を策定すること。
d) 緩衝地帯での森林伐採について、個々の伐採区域の数と総面積の両方において、現在のレベルに制限する、または現在のレベルから減少させ、いかなる伐採も厳格に緩衝地帯内に限定すること。
- また、「当該国に対し、IUCNによるレビューのために、これらの措置の進捗状況と結果を2022年12月1日までに世界遺産センターに報告することをさらに要請する。」とし、要請に対する措置について、約1年半後の報告を要請している。
- 登録に際して小泉環境大臣や菅義偉内閣総理大臣も談話を発表しており、これまでの島民など関係者の取り組みに感謝と敬意を表した上で、更なる環境改善の取り組みへの意欲を見せている。
詳細
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産一覧表への記載決定について(速報)
https://www.env.go.jp/press/109817.html
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産一覧表への記載決定について(第2報)
https://www.env.go.jp/press/109818.html
(32021/07/26|環境省)
※バナー画像の出典
環境省「真美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 世界自然遺産候補地」HP、フォトギャラリー
http://kyushu.env.go.jp/okinawa/amami-okinawa/photo-gallery/index.html