【開発担当者に聞く】教科書シリーズコンセプト vol.2「図説 やさしい(建築)」シリーズ
「図説 やさしい」シリーズ(2003~) 開発担当:編集部C
ラインナップ:建築施工/建築計画/建築法規/建築材料/建築設備/構造設計/建築積算/構造力学[+別売問題集]/建築の歴史/建築数学/建築一般構造/建築環境
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「図説 やさしい」シリーズの一番の特徴はなんでしょうか?
大きくは、図版やイラストを重視した紙面づくりをしているということです。このシリーズを検討していたころ(約20年前)は、図版やイラストは、本文を理解するための補助的な位置付けであったと思います。それを、このシリーズでは、まず図版に目がいくように大きさやレイアウトを工夫したり、説明したい概念をイラストでなんとか表現できないだろうかということを模索しました。
シリーズ最初の刊行となった『図説 建築の歴史』(2003、のちにカラー版に改訂)は、建築様式・運動などをテーマごとに見開き構成で解説しているわけですが、そのテーマで代表される建築物が最初に目に飛び込んでくるようにイラストを配しました。「この様式はこの作品で覚える」ということを意図し、メリハリのある紙面づくりを目指しました。
このようなことを追求していった結果、多くの専門学校様を中心に採用がひろがり、このシリーズで(まだ出ていない)他の科目のものは刊行予定はないのか、というお問合せをいただくようになりました。その後、順次ラインナップを増やしていっております。
「図説やさしい」シリーズが生まれたきっかけを教えてください。
西日本を中心とした専門学校の先生方と、自社刊行の教科書を含めた使い勝手の意見交換の会をしていた際に、ある先生が持ち寄った板書用の教師ノートを見せていただきました。お聞きすると、数年前のとてもよくできる女子学生が、講義の雑談まで含めて、きっちりと他人にも見やすいノートを取っておられ、それを提供してもらったとのことでした。
そこには教育の現場での知恵と工夫がつまっており、とてもよい出来のものでした。理論構築をベースとした大学の先生に執筆いただく教科書もよいが、こういう現場の知見をもとにした教科書開発もありだと気づかされました。なので、このシリーズは、できる限り専門学校などで実際に講義をいただいている先生方にお願いをしています。
シリーズ(または各教科書の)制作にあたり、苦労した点はありますか?
自身が担当した『図説やさしい構造力学』(2004、のちに改訂版)は、文系の人間にも理解できるくらいの「日本一やさしい構造力学の本」を目指したわけですが、本書でも、イラストが持つチカラをめいいっぱい発揮した紙面づくりを追求しました。このあたりは苦労でもあり、また楽しくもある作業でした。
この本では、各章の扉ごとに、構造力学のテーマを象徴するようなイラストを入れようということになりました。「反力」「座屈」などを一枚のイラストにするわけですが、これらを、本書のイラスト師と一緒に、あーでもない、こーでもないと議論しながら作り上げていったことが懐かしく思い起こされます。彼はうまく表現してくれたと思っています。
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