カラー版 図説 建築の歴史
西洋・日本・近代

西田雅嗣・矢ヶ崎善太郎 編

内容紹介

西洋建築史・日本建築史・近代建築史を、68のテーマで様式別に整理した定番の1冊、待望のオールカラー化。臨場感溢れる鮮やかなカラー写真から、国・時代の多様さを感じながらも、精細なイラストも豊富に盛り込み、複雑な様式や空間構成が一目で理解できるよう工夫を凝らした。歴史を体系的に理解できるコンパクトな一冊。

体 裁 B5変・184頁・定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-7615-3207-9
発行日 2013/12/15
装 丁 KOTO DESIGN Inc. 山本剛史

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目次著者紹介はじめに正誤情報電子版

ヴィジュアル目次  9

第1章 西洋建築史

 〈1 古 代〉 ………………………………17

1 記念性の表現 ──古代オリエント  18
2 権威の象徴としての巨大性 ──古代エジプト建築  20
3 円柱による形式美 ──ギリシア建築1  22
4 都市の構成と都市施設 ──ギリシア建築2  24
5 構造と装飾 ──ローマ建築1  26
6 建築のタイポロジー ──ローマ建築2  28
人物でよむ建築史/ウィトルウィウス ── 「建築」の射程  30

 〈2 中 世〉 ………………………………31

7 キリスト教空間の出現 ──古代末期・中世初期の建築  32
8 ドームの建築 ──ビザンツ建築  34
9 バシリカ空間の展開 ──ロマネスク建築1  36
10 地域に根ざしたロマネスク建築 ──ロマネスク建築2  38
11 都市の大聖堂 ──ゴシック建築1  40
12 インターナショナルな様式 ──ゴシック建築2  42
人物でよむ建築史/ヴィラール・ド・オヌクール ──ゴシック世界を映す万華鏡  44

 〈3 近 世〉 ………………………………45

13 再生される古代 ──ルネサンス建築1  46
14 イタリア・ルネサンスの盛夏と黄昏 ──ルネサンス建築2  48
15 移植される「ルネサンス」 ──ルネサンス建築3  50
16 歪んだ真珠 ──バロック建築1  52
17 古典古代という権威 ──バロック建築2  54
18 幻惑の空間 ──バロック建築3  56
19 古典の考古学的解釈 ──新古典主義建築1  58
20 古典の合理的解釈 ──新古典主義建築2  60
21 中世への回帰 ──歴史主義建築1  62
22 過去様式の多様化 ──歴史主義建築2  64
人物でよむ建築史/アルベルティ ──「建築」を「芸術」にした『建築論』  66

第2章 日本建築史

 〈1 古 代〉 ………………………………67

1 日本建築の曙 ──縄文・弥生・古墳時代の住居・集落  68
2 仏教建築の伝来 ──飛鳥・白鳳時代の寺院  70
3 鎮護国家と仏教建築の力強さ ──奈良(天平)時代の寺院  72
4 国風化の流れと密教空間 ──平安時代の密教寺院  74
5 建築と景観の融合 ──平安時代の浄土教寺院  76
6 国家的神社成立の契機 ── 古代の形式を伝承する神社  78
7 優美な杜 ──奈良・平安期成立の神社  80
8 一代一宮から千年の都へ ──古代の宮殿と都城  82
9 王朝絵巻の空間 ──寝殿造  84
人物でよむ建築史/聖徳太子 ──建築で国を興した大工の祖  86

 〈2 中 世〉 ………………………………87

10 革新的な建築構造 ──大仏様の建築  88
11 禅宗の伝来と宋風伽藍の輸入 ──禅宗様の建築  90
12 和様の変化と新しい意匠感覚 ──新和様と折衷様  92
13 洗練化と新興の神社 ──中世の神社  94
14 座敷の成立と武家文化 ──北山文化・東山文化  96
15 庶民の住まい ──中世の民家  98
人物でよむ建築史/重源・栄西 ──大陸の新風  100

 〈3 近 世〉 ………………………………101

16 戦国武将の象徴 ──城郭建築  102
17 権威と装飾 ──書院造  104
18 わびの造形 ──茶室  106
19 洗練美を求めて ──数寄屋風書院  108
20 庶民信仰と寺院建築 ──近世の寺院  110
21 霊廟と装飾 ──近世の神社  112
22 風土性の表現 ──近世の民家  114
23 人間らしさの展開 ──学校・大店・劇場・遊郭  116
人物でよむ建築史/千利休 ──わび茶の大成と茶室の草体化  118

第3章 近代建築史

 〈1 西 洋〉 ………………………………119

1 スチールの時代 ──産業革命以後の建築  120
2 中世を理想としたものづくり ──アーツ・アンド・クラフツ運動  122
3 世紀末の装飾芸術 ──アール・ヌーヴォー  124
4 芸術の革新 ──ウィーン・ゼツェッシオン/ドイツ表現主義  126
5 前衛としての建築 ──ロシア構成主義/デ・ステイル  128
6 幾何学形態による装飾 ──アール・デコ  130
7 有機的建築 ──フランク・ロイド・ライト  132
8 工場建築の理想形 ──ドイツ工作連盟/バウハウス  134
9 建築の詩学 ──ル・コルビュジエ  136
10 Less is More ──ミース・ファン・デル・ローエ  138
人物でよむ建築史/マッキントッシュ ──芸術的空間の創造  140

 〈2 日 本〉 ………………………………141

11 異国との邂逅 ──洋風建築の出現  142
12 お雇い外国人たちの活躍 ──西洋建築技術の輸入  144
13 工匠たちの西洋建築 ──伝統技術の西洋化と擬洋風建築  146
14 日本人建築家の登場 ──西洋建築の理解と習熟  148
15 新しい技術の導入 ──耐震理論と新構法の展開  150
16 ヨーロッパ造形運動との接触 ──日本の表現主義  152
17 国家の建築的表現 ──震災の前後と帝冠様式  154
人物でよむ建築史/伊東忠太 ──日本で最初の建築史学者  156

 〈3 戦 後〉 ………………………………157

18 近代の定着と技術の進歩 ──戦後の建築潮流1  158
19 近代を超える動き ──戦後の建築潮流2  160
20 復興と成長/空間カプセル ──戦後の日本建築1  162
21 戦後日本の住宅物語 ──戦後の日本建築2  164
22 建築の組み直し ──ポストモダンの建築1  166
23 建築と場所の再生 ──ポストモダンの建築2  168
人物でよむ建築史/磯崎新 ──建築の仕掛人  170
出典一覧・参考文献  172     /索引  176

〈編 者〉

西田雅嗣(にしだ・まさつぐ)

京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科建築学部門・准教授
1958年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科修士課程建築学専攻修了.
執筆担当:西洋─7,8,9,10,11,12, 人物コラム(ウィトルウィウス、ヴィラール・ド・オヌクール、アルベルティ)^k

矢ヶ崎善太郎(やがさき・ぜんたろう)

京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科建築学部門・准教授
1958年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科修士課程建築学専攻修了.
執筆担当:日本─10,11,12、近代─7,13,14,15,人物コラム(聖徳太子、千利休、伊東忠太)

〈執筆者〉

小林正子(こばやし・まさこ)

京都造形芸術大学・成安造形大学・摂南大学非常勤講師
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了.
執筆担当:西洋─1, 2, 3, 4, 19, 20, 21, 22,近代─2, 3, 4, 6, 人物コラム(マッキントッシュ)

本田昌昭(ほんだ・まさあき)

大阪工業大学工学部建築学科准教授
1963年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程単位取得満期退学.
執筆担当:西洋─5, 6, 13, 14, 15, 16, 17, 18,近代─5, 9

髙井 昭(たかい・あきら)

京都市立伏見工業高等学校教諭
1961年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程単位取得満期退学.
執筆担当:日本─1, 2, 3, 6, 7, 8, 13, 16, 21, 23

西岡秀輔(にしおか・しゅうすけ)

〈専〉京都建築大学校専任講師
1968年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程単位取得満期退学.
執筆担当:日本─4, 5,近代─1, 8, 10, 11, 12, 16, 17

小出祐子(こいで・ゆうこ)

京都美術工芸大学工芸学部専任講師
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了.
執筆担当:日本─9, 14, 15, 17, 18, 19, 20, 22,人物コラム(重源・栄西)

竹内正明(たけうち・まさあき)

京都造形芸術大学,摂南大学非常勤講師
1973年生まれ.京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程単位取得満期退学.2002年ウズラボ共同設立.
執筆担当:近代─18, 19, 20, 21, 22, 23,人物コラム(磯崎新)

野村 彰(のむら・あきら)

1958年生まれ.京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業.一級建築士.
執筆担当:イラスト

建築の歴史を学ぶということは,われわれの先人たちが,それぞれの時代において,よりよい生活を営むために行ってきたさまざまな試行錯誤の跡を確認する作業であり,何に失敗し,それをどのように克服してきたかを検証することによって冷静な判断力を養う基本的な作業であると考える.それは一般的な知識として身につけるというより,現在という時代あるいは未来が必要としている建築行為を見定めるために不可欠な身の構えなのであり,過去に目を向ける態度こそが大切なのではないだろうか.

高等学校や専門学校,あるいは大学などで建築史教育に直面している者同士が集まって,そのようなことを議論しているうちに,本書の構想が立ち上がった.本書を草した目的は,建築家あるいは技術者をこころざしている学徒に対して,まず建築の歴史に興味をいだいて,目を向けてもらうこと.そして,先人たちが考え,成し遂げたことを冷静に見つめてもらおう,ということにある.

本書の特色は見開きの両ページでひとつの話題を完結し,建築の歴史を概観していることにある.図版に多くの紙面を割いたのは,建築遺構に触れることによって建築の歴史を実感してもらいたかったからである.掲載する建築の選択には当然執筆者の意図がはたらいているが,およそ各時代の代表的なものとして認められているものを選んだ.まずはページをめくって,図版だけを眺めながら建築史の全体を概観するのもよいだろう.特にイラストを多く掲載したのは,写真ではかえって建築の実態を伝えにくいものもあり,イラストの方がより印象深く読者に伝わるだろうとの判断からである.写真では伝えられないような建築空間の構成やディテールなどが臨場感をともなって伝えられれば,と期待している.限られたスペースでの解説の文章はかなり凝縮せざるを得ず,本文ではできるだけ簡潔に歴史を通観し,図版の説明や別枠に設けたコラムで遺構や関連事項の理解を深めた.各執筆者の努力によって,的確で簡明な解説を,という編集意図が叶ったように思う.

また建築の歴史が人間の営みの集積であることが実感できるように,歴史に関わった人物を積極的に取りあげるように努めた.各時代区分の末尾に「人物でよむ建築史」を挿入したのもそのためである.人物の選択は恣意的であるが,読み物として気楽に読んでいただき,建築の歴史をつくってきた人物の存在を垣間見ることによって,また新たな視点が生まれるのではないだろうか.

西洋と日本,それに近代の建築史を一冊におさめているのは,地域差によって,それぞれ別のものととらえがちな歴史を,より全体的な視野をもって通観できたら,との思いからである.時代の区分や叙述形式は先学が樹立した類書の範疇を越えるものではないが,項目ごとに,その特徴をとらえる見出しとリード文をそえているので,それを通読すれば,建築史の全体像が把握できるかもしれない.先述の建築史を学ぶことの意義を鑑み,戦後から現在を含む時代を論じるページを可能なかぎり充実させたのも本書の特色である.

本書は項目ごとに分担執筆している.叙述や構成についてはできるかぎり統一をはかったが,内容と表現に関しては執筆者の裁量によることにした.統一できていない部分は,執筆者が建築史を語る上での個性であるとしてご容赦願いたい.

建築をとりまく社会状況はめまぐるしく変化しており,習得すべき技術と情報が氾濫する教育の現場では,歴史に多くの時間を割くことが困難になってきている.一部の工業高校では建築史の授業そのものがなくなりつつあると漏れ聞く.そのような時代であるからこそ,これからの建築のあり方を冷静に判断するための視座として,まず建築の歴史的変遷の大きな流れを的確に把握してもらいたい,というのが執筆者たちの願いである.すでに建築界に身を置いている人にも,もう一度歴史を振り返ってもらうきっかけとなればと念ずる.

2003年11月吉日

編者を代表して

矢ヶ崎善太郎

カラー版改訂にあたって

本書は専門学校や大学の教科書、試験準備のための参考書、あるいは古建築ファンのための入門書として、初版以来12回もの増刷を重ねることができた。図版を多用して、わかりやすい解説をすることで、楽しく建築の歴史に触れてもらいたい、という執筆者たちの所期の願いが読者のみなさんに届いたに違いない、といささか自負している。

そして刊行から10年目にあたり、図版のカラー化を試みることにした。これは読者からの要望でもあり、執筆者たちの長年の願いでもあった。これまでよりもいっそう親しみやすい紙面となり、かつ図版がより正確な情報として活かされることを期待するものである。

建築史に関わる新たな発見や研究の発展によって、記述を改めなければならないこともあるだろう。今後も改訂を重ね、より充実した内容の紙面づくりをつづけて行く所存である。

2013年11月吉日

矢ヶ崎善太郎

『カラー版 図説 建築の歴史-西洋・日本・近代』初版第1刷 正誤表本書において下記の誤りがございました。深くお詫びいたしますとともに、ここに訂正させていただきます。

2014年5月 (株)学芸出版社

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