全文PDF無料公開『ASSEMBLY|特集 観光と芸術』五十嵐太郎、阿部大輔、三浦詩乃らの対談/論考収録
ロームシアター京都が、3月末に刊行した機関誌『ASSEMBLY』の第五号で「観光と芸術」を特集している。
東洋文化研究者で『犬と鬼』『もうひとつの京都』『観光亡国論』などの著書で知られるアレックス・カー氏が監修した同特集では、“観光と芸術の現在地”というテーマでの同氏とアートNPO〈BEPPU PROJECT〉代表の山出淳也氏による巻頭対談のほか、『3.11以後の建築 社会と建築家の新しい関係』などの編著書がある五十嵐太郎氏(東北大学大学院教授)、『小さな空間から都市をプランニングする』などの著書がある阿部大輔氏(龍谷大学政策学部教授)らのトーク抄録、『ストリートデザイン・マネジメント』などの著書がある三浦詩乃氏(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院助教)による「インバウンドとストリートデザイン」などの論考が掲載されている。
なお、同誌はロームシアター京都ほか京都市内を中心とする関西圏の美術館や劇場で無料配布されているほか、PDF版がウェブサイトからダウンロードできる。
観光に、インバウンドによる経済波及効果、そして文化芸術発信による国際プレゼンスの向上といった側面が期待されて久しくなりました。京都市は、その牽引役としての役割を率先して担っているといえるでしょう。同時に、オーバーツーリズムの問題や、ステレオタイプに回収される文化的アイデンティティの問題など、課題も表面化しはじめています。
奇しくも今号の編集作業中、COVID-19の猛威により観光以前に移動そのものが制限される状況となりました。観光が都市と人びとの移動の関係性であるなら、ポスト・コロナ社会における観光は変容せざるを得ないでしょう。そしてそのとき、文化芸術には何が可能なのでしょうか。
今回の特集は、こうした状況をジャーナリスティックにとりあげるものではありません。 しかし、「観光」の起源を辿りながら、現代の社会における観光の諸課題とその背景、更に劇場のような文化施設との来たるべき関係について多角的に考えていきます。
リリースより