コロナ禍からの経済復旧で米国内の自動車販売台数が急激に復調 SUVなど小型トラックの増加に歩行者のリスク拡大への懸念も

  • アメリカで、新型コロナウイルス感染症の蔓延による経済の停滞により落ち込んでいた自動車の購入が、5月以降急速な復調傾向にある。アメリカ合衆国商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis)が発表した統計によれば、自動車の販売台数はコロナ禍により2月以降激減し、4月には2月比で6割を切る水準となった。一方で4月~5月にかけては約40%の増加に転じている。
自動車全体販売数推移(2015年7月~)

  • 特に伸びが顕著なのは、バンやSUVなど「小型トラック」(Light Truck)に分類される車両の購入数。アメリカではここ10年間、小型トラックが、乗用車への需要と反比例するような形で売り上げを伸ばし続けており、2019年には自動車販売全体の7割を占めるまでになっていたが、4月~5月期の販売数では78.3%とさらにその割合を高めている。
ライトトラックの販売数推移(同)

乗用車の販売数推移(同)

  • こうした傾向に対し、歩行者の安全が脅かされるリスクが高まっていると警鐘を鳴らす見方もある。世界健康安全保障アジェンダ(GHSA(Global Health Security Agenda))の発表によれば、SUVなどの小型トラックは、衝突事故の際の歩行者の死亡率を、普通乗用車に比べて約2倍に高めるとされる。また、2018~19年にかけて、自動車との衝突による歩行者の死亡事故で占める割合において、SUVは増加率が81%に上り、乗用車の同53%に比べて高い上昇率を見せている

Image: GHSA

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