第19回「高速道路は時代遅れになる⁈(1)――解体、拡張/延伸計画の中止急増」連載『変わりゆくアメリカからさぐる都市のかたち』
アメリカ都市で高速道路(州際高速道路=Interstate Highway System,「I-20」のように表記される)を解体、撤去する事例が増えています。
都市内を貫通する高架の高速道路を取り壊して側道にプラタナスを植栽し、高規格の並木道(boulevard)を整備する
都心を走る高速道,を地下に埋め込み、撤去跡を都市公園に造り替える
道路自体を廃止し、車を外縁部の道路に迂回させる
――などの取り組みが行われています。また、高速道路の拡張/延伸計画が潰される事例も増えています。
第18回「大統領選を左右するラストベルトの近況(3)――ハイテククラスターの形成に伴走して街が活性化する」連載『変わりゆくアメリカからさぐる都市のかたち』
連載の前回では、昨今、幾つかのラストベルト都市でITハイテク/バイオクラスターの形成が急ピッチで進展している話題を紹介しました。しかし、物事には前段があります。ラストベルトでは、ハイテククラスター形成の前兆は、経済危機(2008年)前後に遡ります。このころからITハイテク/バイオ系のプロフェショナルがラストベルト都市に流入し始めました。当初は漸進的な動きでした。それがやがて前回記述したように、大きなハイテク投資を誘発する流れになりました。それには以下の事情がありました。