ニュージーランド政府 芸術・音楽業界への新型コロナ復興支援に総計で約1億7千5百万ドルを拠出へ 新曲リリースやライブツアーも下支え

  • ニュージーランド政府が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により打撃を受けた芸術・音楽業界の復興を後押しするため、求職者支援プログラムと4種類の公的基金立ち上げを表明した。
  • 求職者支援プログラム(名称:The Careers Support for Creative Jobseekers programme)に対しては、全体で790万ドルの予算を措置予定。政府が2001年に立ち上げているキャリア開発事業「PACE:Pathways to Arts and Cultural Employment」の枠組みに基づいて推進される。
    政府によれば、この取り組みにより、最大でクリエイティブ職に就く2,000人を4年間にわたって支援することが可能になるという。
  • また、文化芸術業界の復興支援として計約1億ドル規模の公的基金を設立。主な内訳は以下のとおり。
    • Creative Arts Recovery and Employment Fund:7,000万ドル
      クリエイティブ業界の再建を3年間にわたり支援。国・地域レベルでクリエイティブプロジェクトを委託・助成する。
    • Cultural Innovation Fund:6,000万ドル
      期間3年の競争的資金。新しい形での経営や業界を超えた連携を支援するほか、特にデジタル技術の専門家による付加価値の創造を促進。マオリ族の芸術表現や伝統的な知見への革新的なアプローチも支援対象に含まれる。
    • Cultural Capability Fund:2,000万ドル
      法的なサービスやオンラインでの配信、顧客の開拓など、急場のニーズへの対応に注力。
    • New Zealand Music Recovery Fund:1,650万ドル
      ポップミュージック業界への支援。NZ On Air(公共媒体での放映・放送を管轄する独立組織)が実施している支援プログラム “New Music Project” などを通した資金提供の拡充に710万ドル、国内でのライブツアーを支援するための基金に500万ドル、安全に音楽を楽しめる空間への当座的な支援に300万ドル、海外展開や大型イベント出演の機会を失い収入が得られなかったミュージシャンへの補償に140万ドルなど。
      政府によれば、この基金を通じて2900名分の雇用継続を2年間にわたって支援できるほか、新曲455曲のリリースや、150件のライブツアー実施もサポートできるとみている。
  • このほか、公共図書館への支援に2年間で6,000万ドルの拠出を予定。総務大臣のトレーシー・マーティン氏は「図書館は地域コミュニティのハブとして欠かせない役割を果たしており、スキルアップを模索していたり求職していたりする人にとってますます重要な場所になるだろう」と語っている。

詳細

Government launches $175m arts and music recovery package

https://www.rnz.co.nz/news/political/417843/government-launches-175m-arts-and-music-recovery-package

2020/5/29/RNZ