国土交通省が「多様なニーズに応える道路 ガイドライン」を公開 道路空間の再編や使いこなしを進めるポイントなど解説

国土交通省道路局が、道路空間の再編や使いこなしを進めるためのポイントなどをまとめた「多様なニーズに応える道路 ガイドライン」を公表した。

このガイドラインは、2020年5月~2022年3月まで全5回にわたり同省が開催してきた「『多様なニーズに応える道路空間』のあり方に関する検討会」の結果をまとめる形で制作されたもの。

「近年、人口減少・超高齢化社会の到来やシェアリング・エコノミーの出現、人中心の道路利活用ニーズ、道路内への滞留ニーズ、賑わい創出といった社会・経済情勢の変化、CASE(コネクティッド(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)、電動化(E))など道路に関連する新たな技術の登場、電動キックボードや自動配送ロボットなど新たなモビリティの出現に伴い、道路に対する利活用ニーズは従来にも増して多様化している」一方で、「道路の利活用を推進するには、限られた空間を最大限活用するための工夫が必須であるが、道路管理を行う地方公共団体には、道路の利活用に関する経験が必ずしも多くないことが課題」であることなどを、ガイドライン策定の背景として説明している。

ガイドラインの主な構成は以下の通り(番号は章)。

  • 2.具体的検討に入るための準備
  • 3.多様なニーズを踏まえた道路の機能分担
  • 4.多様なニーズに応える道路の柔軟な使い方
  • 5.取組みの進め方
    (構想段階~事業効果の検証までのプロセス)
  • 6.多様なニーズに応えるための有用な個別施策
    (ほこみち、パークレット、歩車共存道路などの施策例)
  • 7.今後の課題
  • コラム
    (全国の地方自治体における事例紹介)

「本ガイドラインを活用するにあたっては、各章が相互に関連しているため、個別施策の解説である6.を除き、一度通読した上で、各種検討を開始することが望ましい」としている(図)。

(出典:ガイドライン7ページ「図1-2 ガイドラインの構成」)

なお検討委員会の委員には、『タクティカル・アーバニズム 小さなアクションから都市を大きく変える』共著者の泉英明さん(有限会社ハートビートプラン 代表取締役)や、『ストリートデザイン・マネジメント 公共空間を活用する制度・組織・プロセス』共編著者で『ストリートファイト 人間の街路を取り戻したニューヨーク市交通局長の闘い』共訳者の三浦詩乃さん(東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教)らが名を連ねている。

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参考

検討に有識者委員として携わった泉英明さんのコメント

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公開日:2022/03/31
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