黒川温泉郷「入湯手形」がリニューアル 地域通貨としての利用や環境保全への還元など循環めざす仕組みに

黒川温泉観光旅館協同組合(熊本県阿蘇郡)が22日、黒川温泉郷における露天風呂巡りの仕組み「入湯手形」について、温泉街で地域通貨として利用できるように機能とデザインをリニューアルすると発表した。

入湯手形は、温泉街全体をひとつの旅館に見立てる「黒川一旅館」の理念のもと、観光客が黒川温泉郷にある様々な宿の露天風呂を気楽に楽しめるようにしようと考案されたもので、1986年に導入。地元産のスギやヒノキを使った木製の手形を購入(大人1枚1,300円(税込))すれば3カ所まで入浴できる仕組みで、これまでに約310万枚が販売されたとされる。

今回のリニューアルでは、円形で木札状の従来の形式は踏襲しつつ、表面の焼き印を温泉マークと「巡」の漢字をデフォルメしたデザインに変更。また価格は維持しつつ、従来のように露天風呂3カ所を巡るだけでなく、露天風呂2カ所を巡りつつ飲食またはお土産を1カ所で楽しむことも選べるようになった。

さらに、入湯手形による売上の1%は、温泉街の景観づくりや自然環境の保全活動に還元する仕組みも導入。また温泉街内部だけでなく、源流域の水源涵養や温泉資源の保護といった点にも取り組むとしている。

年間約100万人が訪れる黒川温泉郷は、地域の旅館から出る生ごみをコンポストで堆肥化し、その堆肥を用いて生産された農産物を旅館で使用することを目指す「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」に取り組むなど、地域資源の循環に向けた活動に積極的なことで知られる(参考『サーキュラーエコノミー実践』)。

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資料はプレスリリースより

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公開日:2022/06/28
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