【受付終了】補助金に頼らない滋賀県日野町の街並み保全の取り組み|比較住宅都市研究会

※詳細は主催団体等にお問い合わせください。

滋賀県日野町は近江日野商人の繁栄で知られた歴史ある町であり、かつては見えないところに贅をつくした質の高い住宅建築が立ち並ぶ街並みを誇っていた。16世紀に領主を失ってから平成の大合併の阻止に至るまで、お上の命令に屈しない自立した精神を誇る町でもあった。しかし町内に職場を持たず遠方への単身赴任を基本とする特殊な営業形態のため、近代以降は若者の流出を止められず、高齢化と住宅の空家化が進み、特にバブル期には多くの歴史的建築が解体され街並みが失われた。そのような状況の中、空家となって売りに出された古民家に惚れ込み移住してきた米国人A・モーア氏に触発されて歴史的建築保全活動が進み、徐々に県外や海外からの移住者が増え、現在では町内外の不動産業者や古美術商をも巻き込んで古民家の解体阻止と町の活性化が進みつつある。モーア氏が事務局長を務める日野まちなみ保全会は、公的補助金を一切受けずに独自の予算で運営されている民間ボランティア組織である。歴史的遺産を守るためには身銭を切るのが当然と考えるアメリカ人の独立精神が、自律の気概をもち芸術文化ためにはお金を惜しまなかった近江日野商人の伝統を呼び覚ましたものと考えられる。

概要

  • 日時:2020年2月17日(月)18時30分~20時30分
  • 会場:首都大学東京同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室
  • 参加費:1000円(会場費、飲み物などの費用として利用します)

講師

鈴木あるの氏
(京都大学理学研究科附属サイエンス連携探索センター講師)

1965年、東京都生まれ。京都大学卒業、カリフォルニア大学バークレー校大学院、京都工芸繊維大学大学院修了。現在は京都大学理学研究科附属サイエンス探索連携センター国際戦略部門に勤務しながら、様々な文化を背景とする居住環境の研究を続けている。博士(学術)、M.L.A.、米国カリフォルニア州公認ランドスケープアーキテクト。

参考文献)鈴木あるの「民家の保存活用における外国人の役割:滋賀県日野町の事例研究」『民俗建築』第156号、37-41pp.、2019年11月

詳細・申込み

http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

記事をシェアする

学芸出版社では正社員を募集しています
学芸出版社 正社員募集のお知らせ