コロナ禍でアメリカの美術館・博物館スタッフの4割以上が収入失う メンタルヘルスへの影響も顕著に
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- 米国美術館・博物館同盟(The American Alliance of Museums:AAM)がこのほど、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが博物館や美術館へかかわる人々に与えた影響について調査した結果を公表した。この調査は雇用状況への影響について把握することを目的に、2021年3月9日~17日にかけて、主にスタッフやキュレーター(外部含む)、学生などを対象として実施されたもの。
- これによれば、40%以上の回答者がコロナ禍により所得を失ったと回答。さらに全所得を失ったと回答した人の割合も30%以上にのぼった。また、有給のスタッフの半数近くは、仕事の負担が増大したと回答した。
- 特に大きな影響を受けたのは、独立した立場で美術館・博物館運営に関わっているキュレーターや関連の契約業者で、半数以上が契約の中止や無期限延期に見舞われたと回答。新しい契約の確保もしづらい状況に追い込まれ、平均でパンデミック前の所得の半分以上を失ったと答えている。
- またメンタルヘルスやウェルビーイングの観点からみた影響も浮かび上がっており、回答者が下した評価(0~10点で評価し、10点が最も深刻)は平均で6.6点だった。特に35歳以下の回答者は平均で7.8点で、学生は最も深刻な8点にのぼった。
- 一方、3年以内に美術館・博物館にかかわる業務に就ける可能性は低いと考えている有給スタッフや学生は2割余りで、回答者の3分の2は業界の将来について希望的な見方をしているとの結果も出ている。
- AAMは今回の結果を踏まえ、美術館・博物館には以下の3つの“注意義務”が課されていると指摘している。
- パンデミックをのりこえ、コミュニティの手助けになるような役割を取り戻すこと
- コロナ禍においてコミュニティを支え、最も脆弱な立場におかれている人々が受ける被害を軽減すること
- そこを美術館・博物館たらしめる人々自身をケアすること
Cover Image: AAM
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Measuring the Impact of COVID-19 on People in the Museum Field
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AAM Announces Findings from Impact of COVID-19 on People in the Museum Field Survey
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