神戸市 安藤忠雄氏による〈こどものための図書館〉の建築提案書・平面図・イメージパースを公開
神戸市が、建築家・安藤忠雄氏から建築・寄贈の申し出を受けた〈こどものための図書館〉(仮称)の概要について、同氏からの提案内容を公開しました。平面図・イメージパースとともに、同氏によるメッセージ文も公表されています。
発表資料によれば、提案では神戸市が管理する都市公園「東遊園地」(中央区加納町6丁目)の南エリア内の敷地約7700㎡を建設地として想定。
鉄筋コンクリート造地上3階建てで、外部をコンクリート打放し仕上げ、内部を木製の壁面書架にすることが計画されています。
提案について市は「今後、市会議決など必要な手続きを踏まえてこれを決定し、建設に向けた調整を進めていきます。」としています。
平面図
イメージパース
安藤忠雄氏によるコメント
こどもたちの未来の為に
~「こどものための図書館」を神戸に~
私は子どもの頃、ろくに本を読むことができませんでした。大人になって、読書の楽しさや、大切さに気が付き、それから多くの本を読んできました。本は心の栄養となり、人生を豊かにしてくれました。それだけに、もっと幼い頃から、絵本や文学に触れることが出来ていればと後悔もしました。
これからの社会を支えていく子どもたちには、出来るだけ多くの本と出会い、豊かな感性を育んで貰いたいと思います。スマートフォンに触る時間を半分にして、本を読み、考え、そして悩むことで、人生を生きぬく力を身につけて欲しい。そこで、25年前の震災で壊滅的な被害を受けながらも、人々の頑張りによって復興を成し遂げ、美しい街並を取り戻した神戸のまちに、自由に活字文化に触れることのできる、子どもの為の図書館をつくってはどうかと考えました。
あの災害の記憶を風化させず、次代の子どもたちに伝えていくためにも、新しい図書館を役立てて頂ければと思います。古くから文化の集積地として歴史を刻んできた港町神戸。その土壌の上で、次代を担う、豊かな感性と判断力を持った子どもたちが一人でも多く育ってほしいと願います。