田中由乃×UR都市機構×饗庭伸「住まい――多様な暮らしを読む」|『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』レクチャーシリーズ Vol. 15

主催 株式会社学芸出版社/協力:独立行政法人都市再生機構 西日本支社
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。

内容

都市について学ぶなら押さえたい話題について、気鋭の実務者・研究者が24のテーマ・約230のキーワードでまとめたハンドブック『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』。
このレクチャーシリーズでは、本書の編著者・執筆者をゲストに迎え、テーマについて参加者とともにディスカッションするトークライブを開催します。

第15回目のテーマは、「住まい」です。

住まいは言うまでもなく私たちの暮らしの中心にあります。都市の成熟にともなって、工場の跡地、商店街の跡地、使われなくなった農地など、あらゆるところに住まいが入り込み、日本の都市の大部分は住まいになってしまいました。
このことはつまり、住まいの質を上げることが、私たちの暮らしの質だけでなく、都市の質を上げることにつながるということです。

この分野について、どういったキーワードや事例を押さえ、また何を手引きに学びを深めていけばよいのか、ゲストとともに考えます。
今回は、独立行政法人都市再生機構(UR)とコラボレーションし、大阪にてお送りします。
大阪城東部(森之宮駅周辺)は、万博会場やIRがある臨海部(大阪市の西)と対となる東の拠点と位置付けられ、大阪公立大学新キャンパスの開校や大阪メトロの新駅設置などにより、大きく変わろうとしているエリアです。
エリア内には、昭和40年代前半から50年代前半に建てられた2団地、約2,600戸のUR賃貸が存在していますが、これらの「住まい」が、まちの変化を受け止めることで、新たな価値を生み出せる可能性があると考えられます。
当日は、大阪府市、大阪公立大学、大阪メトロ、JR西などとともにURが参画する「大阪城東部まちづくり検討会」での議論も踏まえ、これまでの常識に囚われない団地の可能性や、団地と大学や周辺環境等の関係等についてディスカッションできればと考えています。
ぜひご参加ください。

出演

田中由乃(たなか ゆの)

東京科学大学環境・社会理工学院助教。京都大学建築学科卒業。同大学院工学研究科建築学専攻修了。博士(工学)。一級建築士。修士・博士課程では、「チェコ共和国における社会主義時代のプレハブ住宅開発地の居住史集成的再価値化に関する研究」に従事。上京後は自身のシェアハウス居住経験を起点に「家族以外の他者と人間関係を構築していく住まい方に関する研究」、「地域との将来の関係性持続を見据えた、永住を前提としない住まい方に関する研究」などに取り組んでいる。

大串 聡 (おおぐし・さとし)

独立行政法人都市再生機構 西日本支社 都市再生業務部長。東北大学法学部卒業。2004年都市再生機構の前身である住宅・都市整備公団に入社。密集市街地整備、震災復興事業、用地取得などを担当し、2022年本社都市再生部事業企画課長を経て、2023年から現職。


饗庭 伸(あいば しん)

東京都立大学都市環境学部教授。1971 年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。同大学院工学系研究科建設工学専攻博士課程退学。博士(工学)。東京都立大学助手、准教授を経て、2017年より現職。主な単著に『都市をたたむ』『平成都市計画史』(花伝社)、『都市の問診』(鹿島出版会)、共編著に『まちづくりの仕事ガイドブック』『都市を学ぶ人のためのキーワード事典』『コミュニティデザインの現代史』(学芸出版社)、『津波のあいだ、生きられた村』(鹿島出版会)、『シティ・カスタマイズ』(晶文社)など。

プログラム

  • [話題提供]「住まい」について学ぶための事例とキーワード
    /田中由乃

    • 書籍で紹介しているキーワードについてのアウトラインや参照したい事例について解説します。
  • [話題提供]大阪城東部のまちづくりと都市再生
    /UR(大串聡)

    • 「大学とともに成長するイノベーション・フィールド・シティ」を基本コンセプトとした大阪城東部まちづくり検討会の議論や、URの取り組みについて紹介します。
  • [クロストーク]住まい――暮らしの中心を読む
    /田中由乃×饗庭伸×UR(大串聡)

    • 多様な住まいのあり方とまちづくりの関係性の結び方について、森之宮周辺の都市再生も題材にしながらディスカッションします。
    • 都市再生をテーマにした都市系の書籍をピックアップし、レビューしながらご紹介します。
  • [質疑応答]
    /田中由乃×饗庭伸×UR(大串聡)×参加者の皆さま

    • 学習・研究・実務にかかわる方々からの質問にお答えしながらディスカッションします。