バンクーバー市が新築ビルに課す駐車スペース附置義務の撤廃を検討へ 市議が “Open Option Parking” の導入を提言

  • カナダのバンクーバー市議会議員のSarah Kirby-Yung氏が、条例で新築ビルに課している駐車スペースの最小附置義務の撤廃を検討するよう市に求めている。市は昨年1月、公共交通機関へのアクセス性やカーシェアリングサービスの導入など一定の条件を満たす限り、附置すべき駐車スペースを最大で30%縮小できるようにする措置をすでにとっている(賃貸住宅の場合は最大で60%まで削減が認められている)。
  • ビルの開発時には、駐車スペースは地下に設けられる例が多く、相当量のコンクリートや鉄骨などが施工に使用されることから、炭素排出など環境への影響が指摘されている。また実際のニーズに対して過剰な供給状態にあることも明らかになっており、2019年にバンクーバー都市圏(グレーター・バンクーバー:Metro Vancouver)を対象になされた調査では、分譲マンションで42%、商業用の賃貸ビルで35%の過剰供給状態にあることが報告されている。
  • こうした経緯を踏まえ、Kirby-Yung氏は、駐車スペースのありかたを所有者や事業者が自らの必要性に応じて決定できるようにする、いわゆる “Open Option Parking” の考え方を活用すべきと主張。「Open Option Parkingは、開発に際して駐車スペースを一切設けられなくするものではない。不動産の所有者や開発者、事業者らが、市場の需要や変化に応えられるよう選択の幅を広げ柔軟性を持たせるものにすぎない」と話している。
  • Kirby-Yung氏はさらにそのうえで、Open Option Parkingを導入する場合には道路の駐車スペースへの規制に新たな基準を設け、路上駐車があふれないようにする必要があると指摘。「地域におけるニーズが長期的にどう推移・変化してゆくか注視し、住民の移動に支障がないことを確かめていかなければならない」などと話している。

詳細

Vancouver to consider eliminating minimum parking requirements for new buildings

https://dailyhive.com/vancouver/vancouver-parking-minimum-requirements-open-option-parking

Open Option Parking Implementation

https://www.andrewknack.com/open-option-parking-implementation/

Huge oversupply in parking stalls in Metro Vancouver’s apartment buildings: study

https://dailyhive.com/vancouver/metro-vancouver-parking-study-apartments-2019