ロンドン市内の道路の“健康度”を評価・可視化したインタラクティブマップ 英大学の専門家らがリリース
- イギリス・ロンドンに拠点を置く大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究者らが、道路環境の健やかさを評価するデータセット “The Healthy Streets Index” を発表し、ロンドン市内の道路でその状況を可視化したインタラクティブマップを公開している。
- 公式ウェブサイトによれば、発表されたデータセットは、公衆衛生の専門家で、WHOやイギリス政府の交通省や保健省のアドバイザーなどとして活躍するルーシー・サンダース氏との協働で開発されたもの。同氏が提唱する10項目の道路環境の評価指標 “Healthy Streets” と、公開されている空間情報データを活用し、当該の道路がどれだけ「健康」であるかを0~100の数値で評価している。Healthy Streetsの指標は以下の通り(順不同)。
- 空気が清潔か
- 横断はしやすいか
- 騒音がひどくないか
- 安全だと感じられるか
- 落ち着いた気分になれるか
- 立ち止まって滞在できるか
- 日差しや雨をしのげる場所があるか
- 見応え・やり応えのある事物があるか
- 歩いたり自転車に乗ったりしやすいか
- 誰をも受け入れる雰囲気になっているか
- 同大学のホームページで発表されたリリースによれば、担当した研究チームは、社会的・経済的な状況が良好でない地域に暮らしていることが必ずしも不健康な道路沿いに暮らしていることを意味するわけではないと指摘。例として、困窮者の多いロンドン東部のニューアム・ロンドン自治区内の道路が(今回の評価対象全体の)上位5%に含まれるのに対して、高級ホテルが立地するロンドン中心部を走る主要道路パーク・レーン(Park Lane)が下位5%に含まれることなどを挙げている。
- 研究チームらが今回制作したのは、ロンドン市中心部にフォーカスしたセントラル・ロンドン版と、リージョン全域をカバーしたグレーター・ロンドン版で、低評価の道路ほど赤色、高評価の道路ほど緑色でヒートマップ状に着色された高解像度の画像が公開・配布されている。
研究チームは、今後イギリス国内の他都市や国外都市にも対象を拡大していきたいとしている。
詳細
Central London Healthy Streets Index 2021
https://www.underscorestreets.com/s/HealthyStreetsIndex_2021_CentralLondon.jpg
Greater London Healthy Streets Index 2021
https://www.underscorestreets.com/s/HealthyStreetsIndex_2021_GreaterLondon.jpg