「生きた文化的活動の舞台として計り知れない貢献」――首里城火災を受けて『歴史に学ぶ 減災の知恵』の著者・大窪健之さんにコメントをいただきました

© CEphoto, Uwe Aranas

10月31日未明に発生し、正殿など3棟を全焼する大きな被害が出た沖縄・首里城での火災が、全国に衝撃を与えています。

まだ事態の全容解明には時間がかかりそうですが、今回の事件を、防災や文化政策、文化財保存に携わる人たちはどのように受け止め、進んでゆけばよいのか。
歴史的な町並みが災害を受け流し生き延びてきた叡智をさぐった『歴史に学ぶ 減災の知恵』の著者・大窪健之さん(立命館大学歴史都市防災研究所所長/立命館大学理工学部教授)に、お話を伺いました。

個人としては、文化遺産防災の必要性を改めて痛感した大変衝撃的な事件でした。文化遺産のより良い活用が求められる現在において、首里城は地元の方々を始め広く国民に愛され続け、様々な活動の舞台に使われ続けて来ました。

焼失した建築そのものは近代の復元である事から、歴史的価値はまだこれからという評価がある一方で、文化的価値という側面からは、様々な生きた文化的活動の舞台として、これまで計り知れない貢献を重ねてきた事に異論は無いでしょう。

確かに失われたものが戻ることはありません。しかしながらこのような事故を二度と起こさないためにも、悲しみから教訓として学び将来に活かす活動を通して、発展的な復元を支えていく事こそ、私たち研究者が成すべき重要な責務と考えます。

関係各位に対して心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復興を祈念いたしております。


首里城をめぐっては、再建・復元に向け、自治体や有志らによる支援プロジェクトもすでにあちこちでスタートしています。
ここでは、関連する気になるニュースをまとめてご紹介します。

NHKが、2016年11月にヘリコプターで撮影した超高精細の空撮映像を公開

立体空撮 火災前の首里城

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191031/k10012158721000.html

画像処理の専門家・学生らによる首里城のデジタル復元プロジェクトがスタート

みんなの首里城デジタル復元プロジェクト

home

 

イオン提供の電子マネーWAONが「首里城WAON」を通じた寄付率を引き上げ

首里城火災に対するお見舞いと復興支援について

https://www.waon.net/info/20191101_shurijou-visit/

那覇市が開設したふるさと納税を通じた再建支援のクラウドファンディングが3億6千万円を突破

(2019年11月6日20時現在)

沖縄のシンボル「首里城」再建支援プロジェクト

https://www.furusato-tax.jp/gcf/717

記事をシェアする

公開日:2019/11/06
学芸出版社では正社員を募集しています
学芸出版社 正社員募集のお知らせ