ハーバード大学デザイン大学院のウェブサイトで紹介されている、黒人人種差別反対のデザイン運動体 Design as Protest の取り組み
- ハーバード大学デザイン大学院のウェブサイトで、黒人人種差別を反対する運動体 Design as Protest(以下、DAP)の取り組みが紹介されている。
- ウェブサイトでは、従来の都市の設計、ゾーニングの論理、交通インフラのフロー、緑地へのアクセス、都市再生の取り組みこそが、肌色別のコミュニティ、とりわけ黒人のアメリカ人に対する差別を持続させていると指摘し、DAP主導者でもあり建築家・活動家の Bryan Lee Jr. 氏の論考を参照しながら、DAPの活動基盤として、下記声明が記された。
DAP は Black Lives Matter のムーブメントと連動しながら、長い間、デザイン、建築・都市計画などの領域が黒人のアメリカ人に対する差別の一手段として利用されてきてしまったという事実や、その権力構造を解体するよう、デザインの専門家に求めている。
- DAPは、デザイナー、建築家、アーティスト、オーガナイザー、活動家という5つの学際的立場の人々で構成され、オンラインイベントなどを通して活動を広めている。
なお、DAPで発表された9つのデザインジャスティスデマンドは下記のとおり。
- 警察への資金を再分配し、存続の危機にある地域社会の重大なニーズに投資する。
- 弁護可能な場と、環境設計戦略による犯罪防止(CPTED)の実装へのあらゆる取り組みをやめる。
- 刑務所、拘置所、警察署の設計を通した死刑囚への支援の中止。
- 地域社会の「妥当性」を決定する平均収入の採用をやめ、代わりに、黒人コミュニティから搾取してきた富を反映させるよう、州および連邦の資源の分布をある程度根付かせる。
- 抑圧のない、本当にアクセス可能な公共領域をサポートするポリシーと手順を提唱する。
- 公的な説明責任のあるプロジェクトすべてにおいて、地域社会のさまざまな意見と給付協定を組み込んだ、確立された手順をとり、地域社会の自己決定権を保証する。
- 搾取ではなく奉仕の立場で地域社会により貢献するべく、権力や資本との契約関係を排除する。
- 黒人の文化的空間を維持するために投資・確保する。
- 空間的不正があった過去を反映し、解放された空間への奉仕に我々の取り組みを根付かせるための新たな対策を構築するために、デザイントレーニングやライセンス供与の取り組みを積極的に再設計する。
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Design as Protest: How can designers stand for, fight for, and build an anti-racist future?
Design as Protest: How can designers stand for, fight for, and build an anti-racist future?
2020/06/22/Harvard University Graduate School of Design