【一級建築士 合格体験記】最後まで読破して、繰り返す。専門学校講師・佐藤嘉彦さんが選ぶこの2冊

一級建築士試験に合格した方々に、おすすめの参考書と勉強法を教えていただく「合格体験記」を、不定期でお届けしています。

今回、体験談を寄せてくださったのは…

佐藤嘉彦さん

青山建築デザイン・医療事務専門学校講師。1959年北海道札幌市生まれ。帯広畜産大学農業工学科中退、その後不動業に従事。工務店、ハウスメーカー、ゼネコン勤務を経て、現在、専門学校(建築系)教員。一級建築士、宅地建物取引士。

【おすすめ本その1】
一級建築士試験 構造力学のツボ

植村典人 著

この本を選んだ理由を教えていただけますか?

まず本の手ごろな大きさと、タイトルでした。

本の厚さも、価格も手ごろなのがいいと思います。
他の参考書は説明文が長かったり、学術書のように難しいと私に合わない感じでした。

それに対してこの本は、
問題の傾向⇒解説の要点⇒必ず覚える!公式⇒解法の手順⇒例題
というように問題を解く上で、考える上の進め方が的確に書かれている本と思います。

特に気に入っているポイントはどこですか?

特に、解法の手順は図と説明文のバランスが良く、とても分かりやすいと思います。

微分積分を使わずに、一級建築士の受験レベルまで解説しているこの本と出会い、一級建築士試験の建築構造で高得点を取り、その結果学科試験に合格することができました。

実際に使われていた本を見せていただきました!

まず「解法の手順」

いうまでもありませんが、構造力学は解法手順が大切です

出題例から解く

解法のポイント点、解法の手順を説明

説明文と図説がていねいに書かれていて、初学者にとって分りやすいと思います

【おすすめ本その2】
一級建築士 製図試験のウラ指導

荘司和樹+教育的ウラ指導 著

この本を選んだきっかけは何でしたか?

きっかけは、本の初めの「寓話をもじった話」が目を引き思わず買ってしまったことからです。

参考になったのはどういう点ですか?

私が一級建築士資格試験を志した当時は、他社の製図参考書は課題文から簡単な説明後にエスキスが書いてある本しかなく、勉強方法はひたすら解答例をトレースするしかありませんでした。

それに対して、この本は動線を中心に考えること(バナナの法則)、課題文のプロファイリング方法(視覚化)や関係図作成、ゾーニング、6コマ×4コマのチビコマエスキス作成そして模範解答例作りとかなり斬新な内容だったと思います。

現役受験生の解答例もあり非常に参考になりました。
私が購入した2005年の初版?から現在まで、建築士試験制度も変化し、それに伴い本の内容も変化していますが、内容の基本は変わっていないと思います。

どのように勉強されていましたか?

当時、私の勉強方法は、毎週日曜日に図書館へ行き、10時から12時までの2時間、過去の課題文からエスキスをまとめ上げることを、解法に従いながら繰り返すことでした。
それを半年程度続けた結果、しだいに課題文とエスキスがつながるようになりました。

勉強にあたって、どのようなことを工夫されましたか?

その年の課題が決まってからは、自分が理想とする図面を考えておきました
「模範解答例作り」の考え方が役に立ったと思います。課題文で特段の指示がない場合は、自分の理想とする案で行こうと思っていたからです。

これから挑戦する人に向けて、メッセージをお願いします!

「製図試験のウラ指導」にも書いてありますが、「最後まで読破して、繰り返すこと」が建築士合格への秘訣と改めて感じています。
一級建築士を目指していて、勉強時間や経済的理由、そして地域的な理由で資格学校に通うことが出来ない方にとってはこの必ず2冊の本が役に立つと思います。

私は今、専門学校で教員をしていますが、自身の経験を授業に活かしております。
改めて、これらの本を出版された著者へ感謝申し上げます。
ありがとうございました。

貴重な体験談、ありがとうございました!

記事をシェアする

公開日:2024/01/19
学芸出版社では正社員を募集しています
学芸出版社 正社員募集のお知らせ