横浜市による市民参加型の都市デザイン手法「横浜アーバンデザインスケッチブック」に関するブックレット 世界銀行が日英バイリンガルでPDFを公開
世界銀行(World Bank)がこのほど、ブックレット「横浜アーバンデザインスケッチブック:コミュニティ主導のビジョンを実践に移す」(英語タイトル:Yokohama Urban Design Sketchbook : Translating a Community-Led Vision into Practice)を、公式のオープンアクセスデータベース上で公開した。
横浜アーバンデザインスケッチブック(YUDS)は、横浜市が独自に開発した市民参加型の都市デザイン手法。市民が描いたスケッチやドローイングを活用し、市民の都市に対するビジョンやアイデアを具体的な都市デザインの提案につなげることが念頭に置かれている。
3月10日に公開されたこのブックレットは、横浜市都市デザイン室が策定した都市デザインスケッチブック手法に基づき、都市実務者が各々の都市で実践する方法をまとめたもの。
ブックレットの目的として、以下の3点を掲げている。
公務員、都市計画者、開発実務者、学術関係者らのグローバルな聴衆にYUDSを知ってもらうこと
YUDSが都市デザインプロセスにもたらし得る固有の付加価値について説明すること
横浜市の経験や、世界銀行の支援を受けてパナマシティ(パナマ)やバランキージャ市(コロンビア)で実施されたパイロット・プロジェクトについて詳細に記述することで、この手法を再現する際の実践的なガイダンスとツールを提供すること
ブックレットによれば、YUDSの最大の特徴は、写真や地図、鳥観図を用いる従来の都市デザイン手法とは異なり、「断面スケッチ」を用いることにある。他の手法とは異なり、場所同士のつながりや状況、利用者の活動を、自身の目線や普段の光景と近い構図で、子どもや移民・高齢者など誰でも簡単に描ける点がメリットだという。
ブックレットでは、導入のメリットやスケッチのプロセス、実践のポイントなどについて、具体的な事例を通じて解説されている。