EUが選ぶ欧州の“スマート・ツーリズム首都” ヘルシンキとリヨンが初代の受賞都市に

Photo: Some rights reserved by GIRAUD Patrick (CC BY-SA 1.0)

EUがイノベーションによる観光整備を促進しようと今春発表した取り組み「European Capitals of Smart Tourism」の初年度の受賞都市に、フィンランドのヘルシンキとフランスのリヨンが選ばれることになりました。

「European Capitals of Smart Tourism」は、欧州議会で議論された提案をもとに今年4月上旬にEUが公表したコンペティションで、革新的な開発を通じた観光環境の整備(スマート・ツーリズム)を、域内の都市に促そうとするものです。

初年度となる2019年度の募集には19の加盟国から38都市が応募。欧州委員会や欧州議会などからの代表者7名で構成される審査会により、以下の4つのカテゴリに分けて評価が行われました。

  1. “Accessibility”:バリアフリー化や多言語対応など、年齢や文化的出自、身体状況にかかわらず、アクセスがしやすいか。
  2. “Sustainability”:天然資源の維持保全に取り組むだけでなく、季節による環境のばらつきを抑え、地域コミュニティのことを考慮に入れられているか。
  3. “Digitalisation”:デジタル技術を利用して、観光客の体験を向上し、地域の経済を活性化させられているか。
  4. “Cultural Heritage and Creativity”:地域・産業・観光客それぞれのために、地元の遺産や文化的・創造的な資産を守りつつ、十分に活用できているか。

その結果、9月末の会議で、ヘルシンキとリヨンを総合評価の最も高かった2都市として最終選出。
また2都市に加え、各カテゴリごとに最も高い評価を受けた都市も発表されており、”Accessibility”についてはスペインのマラガ、”Sustainability”についてはスロベニアのリュブリャナ、”Digitalisation”についてはデンマークのコペンハーゲン、”Cultural Heritage and Creativity”についてはオーストリアのリンツが選ばれています。

受賞したヘルシンキとリヨンは、2019年の1年間、プロモーション映像の制作や観光用の独自プログラムの企画など、コミュニケーション戦略やブランディングに関してEUから幅広いサポートを受けることになります。
11月7日には、ブリュッセルで開かれる「European Tourism Day」の会議に合わせて授賞式と展示会が催される予定です。

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