ヘルシンキの海辺に立つサステイナブルな公衆サウナ 世界的な建築賞にW選出

Source: LÖYLY

フィンランド・ヘルシンキにあるサウナ施設が、世界的な建築賞を立て続けに受賞し、注目を集めています。

ヘルシンキ市南端の沿岸部に立つ「Löyly」は、特に海外からの旅行者が、フィンランドの文化として知られるサウナを気軽に楽しめるようにつくられた施設です。

「サウナの熱した石に水をかけると立ち上がる蒸気」を意味する言葉を冠したこの施設は、地元の設計事務所「avanto architects」などがデザインを担当し、2016年に竣工・開業。
将来的に市街地と海をつなぐ公園「ヘルシンキパーク」として整備することが構想されているエリアの一角に位置し、沿岸部の動線や海に向けた視線を妨げない構造や素材でデザインされています。

運営に必要なエネルギーは、環境に悪影響を及ぼすとされる水力を利用せず、風力と太陽光のみでまかなっているほか、建設時の木材調達に関してフィンランドで初めてFSC認証を受ける建築物となるなど、持続可能性にも大きく配慮されています。

こうした点が評価され、2018年8月に発表された世界的な建築アワード「TIME Magazine’s World’s Greatest Places」(主催:米・TIME誌)と「International Architecture Award」(主催:米・シカゴ建築・デザイン博物館)で立て続けに選出されました。

フィンランドでは近年、個人宅内にサウナが設けられる一方で従来の公衆サウナの減少が顕著になっていることから、「Löyly」はサウナを通じた新たな都市文化やコミュニティの拠点として期待されています。

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馬場正尊/Open A 著
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公開日:2018/10/03/最終更新日:2023/08/30
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