国土交通省が令和4年度の「都市景観大賞」受賞地区等を発表 都市空間部門で大阪府大東市の「北条(morineki)地区」が大臣賞に
国土交通省が、良好な景観に資する地区・活動のうち特に優れたものを表彰する「都市景観大賞」について、令和4(2022)年度の各賞を選定した。
この結果、都市空間部門では、大阪府大東市にある「大阪府大東市北条(morineki)地区」が国土交通大臣賞を受賞。また景観まちづくり活動・教育部門では、熊本県熊本市の「白川『緑の区間』における水辺の賑わいを創出するための地域活動」が同賞を受賞した。
このうち「大阪府大東市北条(morineki)地区」は、同市が出資する民間企業「大東公民連携まちづくり事業株式会社」とともに進めているエリア開発事業による取り組みの1つ。morinekiは、官民連携で市営住宅の建て替え・再開発を行う全国初のプロジェクトで、2022年3月に住宅棟・公園・商業棟などがオープンしている。
審査委員の佐々木葉氏(早稲田大学教授)は審査講評として、
写真からは、今時のおしゃれでヒューマンなデザインと見える。しかしこれが戸数を大幅に減らした公営住宅建替えプロジェクトだと聞けば、なぜこのようにできたのか、という疑問が湧く。簡単には説明できない徹底した公民連携のプロセスがその鍵であった。景観の創出には事業の仕組みやプロセスにジャンプが必須である、そしてそれは可能なのだ。事業がもたらしたアウトカムは、住む、集う、働く人のウエルビーイングであり、周辺地域のイメージの転換と雇用や経済効果である。それを実現させたのは、敷地の力を育てるコンセプトとランドスケープ、あらゆるディテールというデザインの力である。プロジェクトチームの一人ひとりが、この場所をどのようにしたいのかを突き詰め、描いたビジョンの力が、多くの人の心に響き、それぞれの仕事をイキイキとさせる。そのプロセスと情熱と勇気は、現代日本社会に大きな元気を与えてくれる。文句なしの大賞である。
とのコメントを寄せている。
受賞理由の詳細や、優秀賞ほか各賞の受賞地区一覧は、国土交通省のウェブページで確認できる。
問い合わせは、国土交通省都市局などへ。