2021年第1・2・3回都市環境デザインセミナー記録
テーマ「災害復興：世代を繋ぐ、知の継承」

都市環境デザイン会議関西ブロック、九州ブロック、都市計画学会関西支部（共催）

去る2020年9月17日、都市計画学会関西支部主催で、「復興検証と知識継承」シンポジウムが開催されました。今回のセミナーは、その続編を都市計画学会関西支部、JUDI関西ブロック、JUDI九州ブロックの共催で企画したものです。

大災害後の復興まちづくり・復興都市計画という活動をと通して、承継者は次の世代に何を継承しようとしたか、どのように継承しようとしたか、またその継承者は、その姿に何を見ており、何を受け継いだか、世代を繋ぐ知の継承はどうあるべきか。現場を超えた知の継承を三世代に渡って考える場を持ち議論を深めました。

その記録を下記からご覧ください。

• 第1回 http://judi.sub.jp/judi/202101semi.pdf
• 第2回 http://judi.sub.jp/judi/202102semi.pdf
• 第3回 http://judi.sub.jp/judi/202103semi.pdf

■2021年第1回都市環境デザインセミナー

災害復興：世代を繋ぐ、知の継承－第1回
「阪神淡路大震災の知の継承」

日時：2021年1月26日　18時30分～
場所：zoom会議室

〈趣旨〉

まずは第１回目として、「阪神淡路大震災の知の継承」をテーマに開催しました。
阪神淡路大震災の復興は、多くの行政、研究者、コンサルタントなどにとっては初めてのできことで、それまで関西で培ってきたまちづくり手法や組織を手がかりとして取り組まれました。この現場に立ち会っていた若者の中には、東日本大震災で復興に取り組むことになった方々がおられます。
阪神淡路大震災の復興に、それぞれの立場で深く関わられた方々から次世代に何を伝えたか、またその場に立ち会ったかつての若者からは何を学んだかをお話しいただきました。

世話人　岡絵理子（関西ブロック）

＊経験の伝達１（鳴海邦碩）
復興・防災は特殊なまちづくりか
＊経験の伝達２（小林郁雄）
復興都市計画事業のあるべき姿は
・学んだこと１
越山健治（関西大学）
・学んだこと２
柴田祐（熊本県立大学）
・学んだこと３
阿部俊彦（立命館大学）

■2021年第2回都市環境デザインセミナー

災害復興：世代を繋ぐ、知の継承―第2回
東日本大震災の知の継承

日時：2021年3月1日　18時30分～20時30分
場所：zoom会議室

〈趣旨〉

第２回として「東日本大震災の知の継承」をテーマに開催しました。
東日本大震災の復興は、大規模な公共事業を中心とした復興と言われています。そのような状況下でも、第１回のキーワードを踏まえれば、復興や防災に特化した「特殊な」まちづくりではない、普通の「まちづくり」が行われている事例をお話しいただきました。
気仙沼市内湾地区の現場の報告から、大災害後の復興まちづくり・復興都市計画を通して何を受け継ぎ、次の被災地や次の世代に何を継承することができるのか、考える場としました。

世話人　柴田　祐（九州ブロック）

＊経験の伝達３（吉川健一郎）
気仙沼市内湾地区における住民主体の復興まちづくりでできたこと・できなかったこと
＊経験の伝達４（阿部俊彦）
気仙沼の防潮堤問題と住民主体のまちづくり
・コメント１
姥浦道生（東北大学）
・コメント２
畑　文隆（西宮市）

■2021年第3回都市環境デザインセミナー

災害復興：世代を繋ぐ、知の継承―第3回
中越地震・熊本地震から未来の被災地への知の継承

日時：2021年3月26日（金）
場所：zoom会議室

〈趣旨〉

最終回として「中越地震・熊本地震から未来の被災地への知の継承」をテーマに、下記のとおり開催しました。
中越地震では、これまでの災害復興の教訓を参考にしながら、地域性を考慮した独自の復興の取組が展開されました。熊本地震でも、地域の専門家が被災地の活動を支えると共に、外部から被災経験あるいは応援経験を持つ専門家が、復興の支援に赴きました。
まず中越地震、熊本地震において、地域の専門家として外部支援の受入や地域の復興まちづくりのコーディネートを行った二名の研究者から、被災後、何を考え、どう行動したのか、また外部からの復興の知識・経験をどのようにローカライズしていったのかご報告いただき、被災自治体の立場から熊本県益城町の職員の方にコメントいただきました。その後、第1回の報告者である二名の先生にも加わっていただき、次の被災地や次の世代に、何をどのように継承すべきなのか考えました。

世話人　紅谷昇平（都市計画学会関西支部）

＊経験の伝達５（兵庫県立大学・澤田雅浩）
新潟県中越地震の復興を支えた仕組みとは　復興基金と復興支援員を中心に
＊経験の伝達６（熊本県立大学・柴田祐）
熊本地震の復興における過去の被災地からの学び
・コメント１（益城町役場・宮田有佳）
熊本県益城町における住民参加の復興まちづくりの視点から
・コメント（人と防災未来センター・小林郁雄）
神戸・台湾・中越：復興の経験・教訓の継承の視点から
・意見交換
・全体総括（大阪大学名誉教授・鳴海邦碩）
復興まちづくりの知の継承に向けて

都市環境デザイン会議関西ブロック
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/gakugei/judi/index.htm
都市環境デザイン会議九州ブロック
http://judi-q.or.tv/