【受付終了】木村吉成+松本尚子×古谷俊一「耕す建築 暮らしの基盤を作る」『住宅設計原寸図集』(オーム社)『みどりの空間学 36のデザイン手法』(学芸出版社)刊行記念
主催 | 耕す建築 実行委員会 |
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※詳細は主催団体等にお問い合わせください。 |
- 日時:2023年5月26日(金)16:00~
※18:30~パーティー(栄港建設「建築家と関係者の皆さまご苦労様ですの会」も兼ねる) - 会場:株式会社栄港建設 社屋(〒222-0033 神奈川県横浜市港北区北新横浜1-7-8) 横浜市営地下鉄ブルーライン北新横浜駅より徒歩5分
- 参加費:2000円(ワンドリンク付)
- 定員:30名(着席)+10名(立ち見)※パーティーは立食
- 詳細・申込:https://tagayasukenchiku.peatix.com/
内容
木村松本建築設計事務所の「住宅設計原寸図集」が出版されたとき木村松本さんから東京でも出版イベントが開けないか?と問われそれでは我々の「みどりの空間学」と合同でやりませんかと申し上げたところやろうやろうとなった。松本さんとは京都芸術大学でご一緒しているのと拙著の中に彼らのHouse/shopFを取り上げたことなどから近しい間柄となった。彼らの建築に抱く印象は建築がどう作られているのか分かり易いということだ。言い換えるのなら生活における住まい手の創意工夫を喚起させる絶妙なおさまりの集合体が建築の体を成しており、住まいは引き渡した後も成長するのである。
建築学が生まれる以前、家は施主と大工が直接話し合って間取りや作りや装飾を決めた。そこには普請に伴う施主と職人の暗黙の図らいが存在し心意気の集合体が都市の景観を作っていた。誤解を恐れずいうのであれば木村松本はその頃の大工さんの心意気を継承しているように感じる。
今回会場を栄港建設としたのも意図がある。栄港さんは建築家としか仕事をしない。建築家と向き合う人間力のある多くの監督さん達にも今回の話に混ざってもらいたかった。大変な建築家の設計をなんとか実現しようと汗をかく。この時の監督の頭の中にも住まいをよくしようとする技能に支えられた心意気がある。
一方みどりの空間は分かり易い。植え込んだみどりは建物との関係性を日々更新し続ける。建築を取り巻く外部空間の強弱をみどりで調整をする。設計者や施主が感性を頼りにどうしたら自分好みの内外の織り混ざりを実現できるのか考える。その時に町との関係も一緒に考えている。
今回のイベントを「耕す建築」と名付けた理由は上記のようなことの断片を皆と話したいからだ。一つの建築がまちの一要素となってその良さなり住まいのありようが伝播して街をつくつていく。設計者や施主が耕 した住まいが発端になって街が耕されていく。ご周知のように cultivateの語源は cultureであるようにこれらの行いは文化創造である。
社会で起きていることが分かりずらく超加速度的で目が回る現代において、ふっと立ち止まって暮らしの基盤を作る耕す建築について考えたい。
(文・古谷俊一)
登壇者
木村吉成
建築家
1973年和歌山県生まれ。大阪芸術大学卒業後、狩野忠正建築研究所を経て、2003年に木村松本建築設計事務所を共同設立。現在、大阪芸術大学准教授。
松本尚子
建築家
1975年京都府生まれ。大阪芸術大学卒業後、2003年に木村松本建築設計事務所を共同設立。現在、京都芸術大学専任講師、大阪公立大学非常勤講師。
主な受賞に、第33回JIA新人賞、第4回藤井厚二賞、第33回吉岡賞、第12回JIA関西建築家新人賞、第3回JIA東海住宅建築賞など。
古谷俊一
建築家、造園家
1974年東京都生まれ。1997年明治大学理工学部建築学科卒業。2000年早稲田大学大学院石山修武研究室修了、同年IDEE、2006年UDSを経て、09年古谷デザイン建築設計事務所設立。2020年京都芸術大学客員教授。2021年共立女子大学非常勤講師。2022年みどりの空間工作所設立。代表作に「東京クラシック」「渋谷MODI」「大森ロッヂ 運ぶ家・インターバルハウス」「スイシャハウス・スイシャオフィス」「eM/Park BLDG.」受賞歴に日本空間デザイン賞大賞、環境・設備デザイン賞 最優秀賞、建築作品賞など。