【受付終了】福島・飯舘村の再生-原発被災地をどのように復興していくか

主催 比較住宅都市研究会
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。
  • 日時:2023年月6月13日(火)18時30分~20時30分
  • 会場:首都大学東京同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室 渋谷区宇田川町12-3
  • 参加費:1000円、ネット参加600円
  • 詳細・申込:http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

内容

報告者:田尾陽一氏(ふくしま再生の会理事長)
矢野淳氏(MARBRiNG共同経営者)
要旨:
私たちはこの21世紀初頭に、大自然の大きな力に翻弄され、原発事故被災地となった福島地域において、自然の力の前に謙虚に学びつつ長期間にわたり、自然を構成する空気・土・水・海・植物・動物そして人間の営みの本来の姿を復活させていかなければならないと思う。このためには、被災村民とともに学びつつ、本来の自然とそれらと共生する人間の生活を復活させる必要がある。日本の典型的な山村で、林業、牧畜・酪農、農業を組み合わせた循環型の産業を振興しながら、この地に根づく伝統・文化を発展させていくことの意義は、飯舘村のためにとどまらず、福島、日本そして世界の今後にとって計り知れない意味がある。農業・畜産業・林業・工業・文化などを組み合わせた生活の在り方を創出できるかが、今後の鍵となる。

講師のプロフィール:
田尾陽一氏:2018年、福島県飯舘村に新しい家を建て、東京から引っ越した。避難指示が解除された2017年春以降も、村に戻った人は2割余り。そんな村の再生をめざしている。地域づくり、子ども科学館などのプロデュース、ITベンチャー企業など様々な仕事をしてきた。大学院時代は高エネルギー物理学を専攻。大学院時代の仲間らと被災地を歩いた。飯舘村で農業の再開を試みる村民と意気投合した。農業で暮らせる村にしたいと「ふくしま再生の会」を立ち上げた。会に参加した技術者、元ビジネスマン、研究者らが、村民とともに手探りで田畑を除染し、山林や動植物の放射能計測を重ねた。除染が進み、再生の会が実験栽培をしている田んぼの稲は腰まで伸びた。仮設住宅を移築再デザインし、農業・森林再生に参加したり、星空観測のできる村内外の人々との交流・宿泊施設を造った。
矢野淳氏:父である田尾陽一氏の影響で、高校生の頃から飯舘村の活動に関わり始める。東京藝大在学中、大学と飯舘村を拠点とし、仲間と飯舘村の歴史や事故後のあり方を調べるフィールドワーク活動を実施。大学卒業後、東京と飯舘村の二拠点居住を始める。地域おこし協力隊の松本奈々氏と2021 年に合同会社 MARBLiNG を設立。県の支援や企業からの応援を受け、村内幹線道路沿いのホームセンターをサイエンス/アート/クリーンテクノロジーが一堂に会する発信拠点「図図倉庫(ズットソーコ)」に22年 11 月改装。施設のコンセプトは「分野や世代を超えて飯舘について、未来の環境づくりについて考える人が多く集う秘密基地のような場所」。施設内には会議などに使えるシェアオフィス(有料)やアトリエ、イベント会場などとして利用できるフリースペース、キッチントレーラーカフェなどを整備した。今後は園芸用品の販売なども行う予定。

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