米カリフォルニア州 州立図書館の利用カード所有者に州立公園での無料駐車パスを提供 オープンスペースへのアクセス向上ねらう

アメリカ・カリフォルニア州がこのほど、州立図書館の利用カード所有者を対象に、州立公園での無料駐車パスを提供するプログラム「カリフォルニア州立図書館パークス・パス(California State Library Parks Pass)」をスタートさせた。

Image: California State Library Parks Pass

このプログラムは、4月3日から開催された2022年の「全米図書館週間」に合わせて発表されたもの。

カリフォルニア州の公共図書館カードを持っている利用者は、最寄りの図書館で「パークスパス」をレンタルすれば、対象の州立公園を乗用車またはオートバイで訪れた際、1日無料で駐車できる。図書館ごとにレンタル期間が定められており、期間中は繰り返し使用が可能。

地元ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、カリフォルニア州民の約4割は自宅の徒歩圏内にオープンスペースがなく、また6割は住民1,000人当たりの公園やオープンスペースが3エーカー(約12,000平方メートル)未満しかない「パークプア(park-poor)」地区に居住。一方で、ある州立公園では終日の駐車に1台12ドル(約1,538円)かかるなど、気軽に訪れづらい状況にあった。

今回のプログラムはこうした背景から、野外のオープンスペースへのアクセスを向上させるべく、州が1,184ある州立図書館の協力のもとで推進。財源は、2021/22年度州予算で「すべてのカリフォルニア州民が州立公園やオープンスペースに公平にアクセスできるようにするためのイニシアチブ」として計上された910万ドルの一部が充当されている。

州はウェブサイトで「カリフォルニア州内の公立図書館で図書館カードを持っているすべてのカリフォルニア州民が、州立公園やオープンスペースに安全かつ公平にアクセスできるようにすること。車のデイユース料金という経済的な障壁を取り除き、地域社会と図書館を結びつけることで、公園の恩恵を拡大させること」を目的として掲げ、2,300万人以上の図書館カード所有者に利用を促している。

なお園内への入場料やレクリエーション等の料金に適用することはできないほか、279ある州立公園のうち一部は対象外。国立公園や市立公園も対象ではない。パスをレンタルできる州立図書館と、対象となる200箇所以上の州立公園は、特設サイトのマップで確認できる。

詳細


Cover Photo by Caryle Barton on Unsplash 

記事をシェアする

タグ: /
公開日:2022/04/19
学芸出版社では正社員を募集しています
学芸出版社 正社員募集のお知らせ