英国初のLGBTQ+博物館が2022年春にオープンへ 性的マイノリティについての報道などをアーカイブ

イギリス・ロンドンに今春、性的マイノリティ(LGBTQ+)の歴史をテーマとする博物館が、同国で初めてオープンする見通しとなった。

この博物館は、イギリスに拠点を置くチャリティ団体「クィア・ブリテン(Queer Britain)」が、“イギリス内外のクィア・コミュニティに内在する物語、人々、場所を称える”ことを標榜し、設立準備を進めてきたもの。

団体の設立趣旨には次のように綴られている。

クィアの人々は、文化のあらゆる部分に影響を与えてきたが、その人々の人生が歴史書では余白に書かれてしまっていることがあまりにも多い。貴重な物語や遺物が失われつつある。一度失われたら、二度と取り戻せないかもしれない。(後略)

博物館がオープンする場所は、キングス・クロスにあるグラナリー・スクエアに建つビル「Two Granary Square」の1階フロアで、4つのギャラリーや工房、教育用のスペース、ギフトショップ、それにオフィスが入る予定だという。入館料は無料の予定。

なおこのビルはチャリティ団体「アートファンド(Art Fund)」が所有している完全バリアフリーの建物で、入居期間はさしあたり2年間とされている。

クィア・ブリテンのディレクターで共同設立者のジョセフ・ガリアーノ(Joseph Galliano)氏はリリースの中で、次のように述べている。

イギリスにも、すべての人のためのLGBTQ+ミュージアムができるときが来たのです。アートファンドを最初の家主として、美しいグラナリー・スクエアに最初の家を見つけることができたことを嬉しく思っています。

博物館内には、現在は別の拠点で保管されている、レズビアンやゲイに関する報道記事のアーカイブや文献などが展示されるとみられる。ウェブサイトでは、活動資金となる寄付の申込も受け付けている。

なお、性的マイノリティを中心的に扱う博物館やアーカイブ施設は世界各地で開設が進んでおり、アメリカ・ニューヨークの「レスリー+ローマン・ゲイ&レズビアン美術館(Leslie+Lohman Museum of Gay and Lesbian Art)」や、オランダ・アムステルダムの「IHLIA LGBT ヘリテージ(IHLIA LGBT Heritage)」などが知られている。

*クィア:LGBTQ+のQ(L、G、B、T、Qのカテゴリーに該当しない、性的指向や性自認が非典型な人全般)または性的マイノリティ全般を指すとされる言葉(参考:PRIDE JAPAN

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