地域の歴史的建造物を活かしたまちづくり

主催 比較住宅都市研究会
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。
  • 日時:2024年9月15日(日)13時30分~15時30分
  • 会場:現地・オンライン併催
    現地住所:東京都立大学同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室 渋谷区宇田川町12-3
  • 参加費:現地参加 無料、オンライン参加 600円
  • 詳細・申込:http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

内容

1997年の登録有形文化財制度、2004年の景観法と文化的景観制度、2008年からの文化財の総合的把握の実践や歴史まちづくり法、2015年の日本遺産制度、2018年の文化財保護法の改正による地域の文化財の総合的な保存活用をめざす文化財保存活用地域計画策定促進など、文化財の保存活用をめぐる施策・制度が近年次々と創設され、充実してきた。歴史的建造物の価値を発見し、修理・改修し、様々な用途に活用する事例が全国各地で展開され、その担い手としてのNPOの活動やヘリテージマネジャーの養成等も活発となっている。また、1975年創設の歴史的集落・町なみ保存の制度である重要伝統的建造物群保存地区も現在では全国で129カ所となり、歴史まちづくりのコアとしての存在感を高めている。
我が国社会が成長から成熟へ、環境を保全し持続可能で安全・安心な社会へと大きく舵を切る一方、人口の急減と高齢化の進行によって地域の疲弊が顕著となってきた現在、歴史を活かしたまちづくりは、地域活性化のひとつのあり方を示すものとして注目される。中心商店街の8割が閉鎖された龍ヶ崎ではあるが、これまで残されてきた貴重な歴史的建造物をどのように保存・活用して町の活性化へとつなげるか、出席の皆様といっしょに考えたい。

講師のプロフィール:
苅谷勇雅氏(日本イコモス国内委員会監事)
1948年生まれ。京都大学工学部建築学科、同大学院修了後、1977年京都市役所に就職。都市計画局風致課、都市景観課にて市街地景観保全、歴史的町並み保存、近代洋風建築群保全等を担当。また、都市計画課、企画室で京都の将来計画立案に関わる。歴史都市であり現代に生きる大都市である京都において、開発と保全をめぐる激しい景観論争の中で、歴史的景観保全の新施策の立案に務めた。1995年、文化庁文化財部建造物課に移り、主任文化財調査官として伝統的建造物群の保存、重要文化財建造物の修理企画等を担当。また、登録有形文化財制度創設に関わった。2003年には建造物課長、2005年には参事官(建造物担当)となる。2008年、文化財鑑査官として各種の文化財の保存活用の充実と施策の調整にあたった。その後、2009年から2014年まで国立高専機構 小山工業高等専門学校校長を務め、学科の再編や学校施設の計画的改修の推進など教育研究環境の充実、高専の地域貢献拡大を図った。現在は、日本イコモス国内委員会のメンバーとして、世界文化遺産をはじめ、国内外の文化遺産の保存・活用と歴史まちづくりの発展をめざして活動している。工学博士。一級建築士。著書に「京都-古都の近代と景観保存」(至文堂 2005)、「歴史文化遺産 日本の町並み」上下巻(共編著、山川出版社 2016)など。

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公開日:2024/09/05