【受付終了】日本の地域公共交通(バス)の現状と今後の展望ー必要になるのは住民自治×独自財源ー

主催 比較住宅都市研究会
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。
  • 日時:2024年9月9日(月)18時30分~20時30分
  • 会場:東京都立大学同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室 渋谷区宇田川町12-3
  • 参加費:現地参加1000円、ネット参加600円
  • 詳細・申込:http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

内容

福岡県警によれば、自動車二種免許(バス・タクシー)保有者の年齢別構成比(2022年12月末)は70歳以上44%、60~69歳25%、50~59歳18% 小計87%で50歳以下は13%に過ぎない。従って、今後運転手に余程の好待遇を用意しない限り、その補充や若返りは容易ではなく、大阪府南部3市町村で15路線を運行していた金剛バスが昨年12月急に廃業したように、大都市圏でもバスの減便や廃止、タクシーの減車が進む可能性があるだろう。一方で、フランスでは、交通基本法で「交通権(移動権)」を定め、公共交通が道路や上下水道等と同様に社会資本として維持され、しかも地方自治体に主導権があり、広域行政体が一括管理する仕組みと独自財源がある。また2013年にEUが策定した「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)」では、「大気や健康の改善」、「交通安全の向上」、「自動車利用低減による街路の安全やそれに伴う商業や観光業の繁栄」といった目標を定め、その目指す将来について、市民及び異なるセクター(運輸、土地利用、環境、経済開発、社会政策、健康、安全及びエネルギー等)間が政策調整を行うことが重視されているように、欧州では都市の持続可能性と都市間競争を意識した交通政策が進められている。明治以降、殖産興業や軍事化を優先し、民間主導で公共交通を整備した日本と欧州では歴史的な背景が異なるが、本格的な人口減少・高齢化を迎える日本における公共交通と特に都市に迫る危機について議論したい。

講師のプロフィール:
大島隆 氏(地域と交通をサポートするネットワークin Kyushu 世話人)
1984年東京経済大学に入学。在学中、「現場に足を運び、実際見て、聞いて学べ」が口癖だった柴田徳衛教授(東京都立大学教授、東京都企画調整局長等を歴任)のゼミナールで都市経済・財政、環境経済学を学ぶ。1988年 西日本鉄道(株)入社。乗合バス部門に配属され、福岡県内19市町を担当し、市町職員や住民と協議した実体験から「交通から見たまちづくり」がライフワークとなり、2010年には若手研究者、交通コンサルタント、県市職員、交通事業者有志で「地域と交通をサポートするネットワークin Kyushu」を発足し、九州各地の行政マン、交通事業者、コンサルタントらが集う勉強・交流会を年に1~3回開催してきた。