熱帯原生林の喪失面積が2年連続で増加 インドネシアではコロナ禍の影響受け減少も
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- 米・メリーランド大学がこのほど発表した調査データによると、2020年に失われた熱帯雨林の面積は1220万ヘクタールにのぼり、このうち原生林が約420万ヘクタールを占めることがわかった。失われた原生林の面積は、オランダ一国の面積に相当する広さ。原生林の喪失は前年(2019年)に比べて12%増加しており、前年比で増加するのは2年連続。
- 世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)によれば、湿潤な熱帯地方の原生林は二酸化炭素の貯留や生物多様性のために特に重要。420万ヘクタールの原生林の喪失による炭素排出量の増加(2.64 Gt CO2)は、自動車5700万台(アメリカ合衆国の道路を走る自動車の2倍以上)が年間に放出する排気ガスの総量にほぼ等しいという。
- 一方、熱帯林が多い主要国のうち、インドネシアは2019年よりも喪失面積が減少して、全体の4位に順位を下げた。2020年は特に雨量が多かったことや、コロナ禍によりパーム油の価格が下落し、森林除去を伴うプランテーションが抑制されたことが要因として挙げられる。加えて、2016年から2017年にかけ大規模な森林火災に見舞われて以降、森林破壊を抑えるべく政府が断行している取り組みの奏功も一因とみられる。
詳細
Primary Rainforest Destruction Increased 12% from 2019 to 2020
https://research.wri.org/gfr/forest-pulse
How much forest did we lose in 2020? Like, a Netherlands’ worth
https://grist.org/agriculture/how-much-forest-did-we-lose-in-2020-like-a-netherlands-worth/
Cover Photo by Andrew Coelho on Unsplash