アフリカのルワンダで環境負荷を抑えたアフォーダブル住宅の建設進む 官民連携で2033年までに4万戸目指す計画

東アフリカにあるルワンダ共和国で、環境に配慮した手法により、手ごろな価格の住宅(いわゆるアフォーダブル住宅)を大規模に建設しようとする、官民連携のプロジェクトが進んでいる。

 

ブウィザ・リバーサイド・ホームズ(Bwiza Riverside Homes)」と呼ばれているこの事業は、アフォーダブル住宅の供給不足解消に向け、ルワンダ政府が首都キガリ市内などで進めている12件のプロジェクトの1つ。

民間の住宅事業者「ADHIコーポレートグループ」(以下、ADHI社)との提携のもとで進められており、2022年末まで段階的に計2,270戸の完成が目指されている。

このほど行われた落成式では、モデルハウス7戸が公開された。大統領のポール・カガメ(Paul Kagame)氏も現地を視察し、スピーチを行っている。

ブウィザ・リバーサイド・ホームズの開発において、住宅の建設・計画に関して、環境や地域コミュニティへの負荷に配慮したプロセスを導入している点が注目を集めている。

ADHI社のウェブサイトによると、まず住宅については、地元の資材やプレハブ建材の採用による量・輸送回数の削減、リサイクル可能な鋼材などによる廃棄物の抑制、プラスチックを再利用した型枠の使用といった環境負荷の軽減のほか、建材の重量を軽くすることによる労働負荷の軽減や、水の使用の抑制も図る。

このほか、太陽光発電による街灯の整備や排水の処理・リサイクルのシステム、透水性舗装、そして雨水管理システムなどを通じて、住宅地全体としても環境にやさしくなる計画を目指しているという。

開発される住宅に想定されている主な特徴(Image: ADHI Rwanda)

ブウィザ・リバーサイド・ホームズで建設される住宅のうち、アフォーダブル住宅として販売が予定されているのは4つのモデル。

ADHI社が公開しているカタログによれば、最も安価なモデル「IVY」はベッドルーム2部屋・バスルーム・駐車スペース1台分が備わった2階建て40平米で1,600万ルワンダフラン(約175万円)。ベッドルームが1部屋増え、バスルームが広くなった2階建て90平米のモデル「JADE」で3,500万ルワンダフラン(約384万円)。

なおこのほか、大家族向けのモデル「SOFIA」(4,800万ルワンダフラン≒約527万円)と高級志向のモデル「UMURINGA」(8,600万ルワンダフラン≒約945万円)も建設・販売される予定。

ルワンダ住宅局のフェリックス・ンシミュムレマイ(Felix Nshimyumuremyi)事務局長は、現地メディア「The New Times」のインタビューに対し、「少なくとも、月収20万ルワンダフラン(約2万2千円)~120万ルワンダフラン(約13万2千円)の人であれば、1戸あたり1,600万ルワンダフラン(約175万円)~3,500万ルワンダフラン(約384万円)の住宅を購入できるだろう」などとコメントしている。

なお、同様の住宅地は今後全国的に建設が進められる予定で、政府は2026年までに8,000戸以上、2033年までに40,000戸を整備し、そのうち7割をアフォーダブル住宅とすることを目標に掲げている。

詳細

関連


Cover Photo: courtesy of Official Facebook page of Paul Kagame