ロシアの建築家・都市計画家らがウクライナ侵攻を非難する書簡公開 6,500名以上が署名も報道締めつけの法改正受け削除
ロシアの建築家やデザイナー、都市計画家ら6,500人以上が、ロシアによるウクライナ侵攻を非難するオープンレター(公開書簡)に署名し、戦争の即時終結を訴えている。
この公開書簡は、ロシアで刊行されている建築専門雑誌「プロジェクト・ロシア(проект россия)」のウェブサイトで、2月26日に掲載されたもの。
2月24日未明に開始されたロシアのウクライナに対する攻撃を非難する内容で、「われわれロシアの建築家と都市計画家は、ロシア軍のウクライナ領土への侵攻を容認できない」などとして、「暴力的な戦争の即時終結」を要求。
その上で、「隣人からの尊敬は、武力や破壊で得られるものではない。自分の国、自分の家をよりよくすることによって得ることができるものだ」として、建築家や都市計画家の職能と戦争の関係に言及。戦争は、そうした職業にとって活動の本質にある、「人々の生活や安全、充実感、快適で健康的な環境に対してもつ権利」などの価値を侵害するものであると断じた。
この書簡には、3月4日までに6,500名を超える署名が集まったとされる。
しかし同日、ロシア軍に対する偽情報にあたると当局が判断したものの流布に対し、最長15年の禁固刑を科す法改正を、ロシア議会が可決。
この締めつけを受けてか、3月7日現在、書簡が掲載されていたウェブページからはすでに書簡本文が削除されており、「残念ながら、本日施行された法律により刑事訴追を受ける恐れがあるため、手紙の文面を削除せざるを得なくなりました。私たちは平和を願っています」などとするメッセージだけが残っている。
なお、ロシアによるウクライナ侵攻後は、MVRDVやOMA、UN STUDIOといったオランダに拠点を置く国際的な事務所を筆頭に、ロシア・ウクライナ両国内でのプロジェクトの中断を表明したり、戦争終結を訴えたりする声明が相次いで出されている。
詳細
- Russian architects condemn Ukraine invasion in open letter
- Over 6,700 Russian architects and urban planners pen open letter decrying their country’s war with Ukraine
- As Russia’s invasion of Ukraine rages on, architects speak out
参考
Cover Image: Thanks to Karollyne Hubert @karohubert for making this photo available freely on Unsplash