全米初となる波力発電の実験施設が2023年から稼働へ オレゴン州立大学主導のプロジェクトを規制当局が許可
- 米国連邦エネルギー規制委員会がこのほど、オレゴン州立大学に対して、系統電力接続型で全米初となる波力発電実験施設を建設・稼働することについて許可した。
- この施設は、オレゴン州立大学の主導で進む波力発電の検証プロジェクト “PacWave” が検討している実験施設のひとつ(South Test Site)。オレゴン沿岸の沖合7マイル(約11.2km)にある2平方マイル(約5.18平方キロメートル)の区域に総工費8000万ドル(約87億8千万円)で整備され、2023年までの完成・稼働開始が予定されている。
完成すれば、波力発電に関する技術について、開発事業者らが大規模な実験に取り組めるようになるという。 - 施設には電力ケーブルや通信用ケーブルなどを備えた4カ所の実験用係留地点が設けられ、洋上でひととおりの実験作業が可能な環境が整う。各係留地点は沿岸の系統電力接続基地とケーブルで結ばれており、最大20基の波力エネルギーの変換器を同時に検証することも可能になるという。
- 波力発電技術は未だ研究開発段階にあるものの、専門家の間では次なる再生可能エネルギーの一つとして期待が高まっている。ある市場調査では、世界規模でみた2019年時点での市場規模は4380万ドル(約48億円)にとどまっているものの、2027年までに3倍以上に拡大すると見込まれている。
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Federal Energy Regulatory Commission issues OSU license for wave energy testing facility
The U.S. is finally looking to unlock the potential of wave energy
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