大気汚染に警鐘を鳴らすテディベア・ロボット ロンドンの街中に出現
ロンドンの街中に、空気の汚染状況を感知してリアルタイムで人々に注意を促す、クマのぬいぐるみ型のロボットが登場しました。
このぬいぐるみ型ロボット「Toxic Toby」が設置されたのは、ロンドンで最も交通量が多く、空気が汚れているとされる「ブリクストン通り」のそばに立つ信号機の柱。
ぬいぐるみは、周辺の空気の汚染状況が一定の基準値に達したことを検知すると、前足を口に当てて咳き込む動作を見せ、歩行者の目を引いて注意を促します。
さらに、咳をするたびに、地元の政治家らに向け、大気汚染問題に取り組むよう求めるツイートを送信する仕組みも実装されました。
このロボットを設置したのは、広告会社「McCann London」のクリエイティブチーム。
ロンドンでは、交通事故により命を落とす人は年間200人強である一方、大気汚染に関連した要因で寿命を縮めてしまっている人は年間9千人以上にのぼるとされており、プロジェクトはそうした啓発の一環として進められています。
ロボットは、局地的な空気の汚染状況をリアルタイムでモニタリングしている「BreezoMeter」の提供データと連動しており、咳き込む反応を示す基準値には、政府が呼吸器や心臓を患っている人に屋外活動を控えるよう促す際の目安としている値が採用されています。
同チームは、引き続き「BreezoMeter」のデータを活用し、ロンドンで最も空気の汚れている地域にぬいぐるみを転々と移動させるほか、将来的にはイギリス全土を巡回することも計画していると話しています。
詳細
- This robotic bear warns pedestrians about how much smog they’re inhaling(FASTCOMPANY)
- Can a sick teddy bear make politicians fix London’s air quality?(grist)
- McCann London_Breezometer_Toxic Toby the #CleanAirBear(Vimeo / McCann London)
- Toxic Toby(McCann London)
関連書籍
『LRTと持続可能なまちづくり 都市アメニティの向上と環境負荷の低減をめざして』
青山吉隆・小谷通泰 編著
なぜ今LRTなのか?効果と課題を徹底検証
https://book.gakugei-pub.co.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-4082-1.htm