【受付終了】人生100年時代、住まい手と共につくる家|高齢社会の住まいをつくる会設立20周年記念シンポジウム

主催 NPO法人 高齢社会の住まいをつくる会(高住会)
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。

~丁寧な対話でリノベーション~

人生100年時代の住まいの設計に携わる「作り手」の皆さま
「住まい手」との対話にお困りではありませんか?

高齢社会の住まいをつくる会(高住会)は、バリアフリー設計の実務者の呼びかけにより2001年に設立され、2003年に全国区のNPO法人として認証を受けました。
歯止めのかからない日本の少子高齢化に対応できる住まいづくりが急務の中、2000年に介護保険法が施行され、高住会もこの20年間を社会の変貌とともに歩んで参りました。
設立10年の節目には、一般に根付いてしまった「段差のない、手すりの付いている家」というバリアフリー住宅のイメージを払拭すべく、「新・バリアフリー宣言」を行い、後に自宅に住み続けるための考え方を取りまとめた「新・バリアフリー15ヶ条」を策定いたしました。

このようななか国の動きを見ると、厚労省が推進する「地域包括ケアシステム」では住まいを取り囲む地域の医療や介護、予防と生活支援の連携の強化が図られ、一方で2019年の春には、国交省が「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン
」を作り、高齢期に備えた早めの住まいの改修を促してきました。(事業者向け改修提案の手引きを参照)
しかしながら、地域包括ケアシステムの生活基盤となる普通の住まいは個人の判断に任され、結果として高齢期の居住性能の向上は後回しになってしまい、住み続けるはずの住まいに赤信号が点いている状況です。

高住会ではセミナーや日々の活動を通じて、住まいづくりの専門家が連携して、住まう人の真のニーズを聞き出す技術を身につけること、介護保険の枠組みだけにとらわれず、地域社会の中で個人を取り巻く環境や想いに気づき、住まいが持つからだとこころを支える力、つまり「住まいの力」を向上させて最大限に活用できるように整えることの重要性を学んで参りました。

本年度は当会が20周年を迎えて、改めて私たちが出来ることを問い直し、一個人の目線で暮らしを見つめて共感し、自宅に住み続けたいと願う多くの方々の希望に寄与できるよう、本シンポジウムを企画いたしました。
当会会員が実際に手掛けたリノベーションの事例を通じて、学び合う内容となっております。

新型コロナウイルスとの闘いという誰も予想をしていなかった世界の激変が起こり、世代を問わず多くの人々が家で過ごす時間が長くなって住環境の重要性に気づき、住まいをめぐる新たな課題が浮き彫りになってきています。
様々な暮らしの個別性に対応するべく、当会が作り手のために導き出した「住まい手との対話の心得10ヶ条」が多くの設計者に浸透し、人生100年時代の住まいづくりに貢献できれば幸いです。

なお、当初は会場にご来場いただく形式でのイベントを企画しましたが、コロナの感染拡大防止について対応を熟慮した結果、オンラインでの開催とする運びとなりました。
地域の垣根を超えて、全国からの多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

概要

  • 日 時:2021年2月11日(木・祝)13:00~16:00(5分前よりご入室ください)
  • 場 所:オンライン(Zoomミーティング)※PC等の受信環境は各自整えてください。
  • 定 員:80名
  • 参加費:2,000円(一般)、1,500円(高住会会員/学生)

対象

住まいづくりに関わる建築士、その他の専門職。
及びバリアフリーの住環境に関心のある方々。
(ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます)

プログラム

開会の辞 13:00~13:15(15分)

ご挨拶:高住会理事長 吉田紗栄子
20年を振り返って

【第1部】

講演  13:15~13:30(15分)

「住まい手との対話の心得10ヶ条」の発表
解説:高住会理事長 吉田紗栄子
10ヶ条と設計提案の5つのポイントの解説

リノベーション・ケーススタディ
  • 13:30~13:40(10分)   解説:岡村英樹
  • 13:40~13:55(15分) 発表:(対談形式)吉田紗栄子/直町常容子
    ケース1:戸建リノベーション
    「パーキンソンの母と娘家族の二世帯住宅」
    医療介護の専門職との連携により機能と美しさを兼ね備えた
    リノベーションが実現した好事例。
  • 13:55~14:10(15分) 発表:直町常容子
    ケース2:集合住宅リノベーション
    「親の家から自分の家へ」
    母の介護を終え、住み慣れたマンション3DKを1LDKにリノベーション。
  • 14:10~14:50(40分) 発表:松橋雅子
    ケース3:地方の住宅リノベーション
    「娘の在宅介護を覚悟した老夫婦の住まい」
    ~地域へ…一歩前に!心を開いたリノベーション~
    自分たちのためにバリアフリー改修を考える時期に、末娘の突然の病気によって自宅で介護することになった老夫婦宅の改修事例。

休 憩   (5分)

【第2部】 パネルディスカッション 「住まいの力」を引き出す対話の心得について考える

  • 14:55~15:10(15分)解説:岡村英樹
  • 15:10~15:50(40分)パネルディスカッション&質疑応答
    ファシリテーター:岡村英樹
    パネリスト:吉田紗栄子、松橋雅子、直町常容子
    まとめ
  • 15:50~16:00(10分)高住会副理事長 田畑邦雄

閉 会 16:00

発表者

吉田 紗栄子(よしだ さえこ)

一級建築士・バリアフリーコンサルタント、ケアリングデザインアーキテクツ代表
NPO法人高齢社会の住まいをつくる会 理事長、一般社団法人ケアリングデザイン理事

東京都出身。1964年の東京パラリンピックに日本赤十字語学奉仕団の一員として参加。“高齢である”“障害がある”ということも大切な個性と考え、身体障害者・高齢者と建築との関わりをテーマに、住宅、福祉施設等を設計。
共著に『バリアフリー住まいをつくる物語』(三輪書店)、『50代リフォーム・素敵に自分流』(経済調査会)、共訳に『Rooms for care』(JID)。

岡村 英樹(おかむら ひでき)

一級建築士(構造設計1級建築士)、福祉住環境コーディネーター2級
福祉用具専門相談員
有限会社サニープレイス代表取締役、NPO法人高齢社会の住まいをつくる会 理事
一般社団法人EVER FIT HOUSE普及協会代表理事、大阪府立大学大学院 非常勤講師

阪神淡路大震災ののち会社を辞め、兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所での経験を元にバリアフリー専門の住宅会社を設立。一生のどこかで障害を負って生きていく可能性は誰にでもあり、人生をつくり直すチャンスもまたあると考え、住まいづくりが人生再構築のきっかけになればと、いつも願いながら取り組む。
著書に『OT・PT・ケアマネにおくる 建築知識なんかなくても住宅改修を成功させる本』(三輪書店)、共著に『リハビリテーションの常識・非常識』(三輪書店)、『地域リハビリテーション学テキスト』(南江堂)。

直町 常容子(なおまち とよこ)

一級建築士 一級建築士事務所 直町建築設計室主宰、
NPO法人高齢社会の住まいをつくる会会員

東京都出身。清水建設設計部、京都伝統建築技術協会を経る。
一人ひとりの住まい手の方にふさわしい『心地よい空間』を大切に、住まい手の方の希望・夢の橋渡しができるように、何よりもその方にあった空間の提案を通して、より豊かな日々の生活を感じられることを心掛けている。
住宅設計・リノベーション等を主としている。

松橋 雅子(まつはし まさこ)

一級建築士、福祉用具プランナー M’s設計室主宰
NPO法人高齢社会の住まいをつくる会 副理事長

秋田県北秋田市出身。1992年より鷹巣町「福祉のまちづくり」におけるワーキンググループ(住民ボランティアグループ)の活動に参加。高齢者及び障害者にこだわらず、私たちが安心して住み続けられる住宅とは?もっと快適に暮らすための工夫等の提案や、実際に住宅改修を行うなど、「家」をキーワードに活動。
著書に『ハウスアダプテーション 高齢者・障害者向け住宅改造・在宅ケアのシステム化』(財団法人 住宅総合研究財団)、『保健婦・訪問看護婦のための住宅改善支援の視点と技術』(日本看護協会出版会)

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https://sumai210211.peatix.com/