安楽死、尊厳死はタブーではないはず

主催 比較住宅都市研究会
※詳細は主催団体等にお問い合わせください。
  • 日時:2025年7月8日(火)18時30分~20時30分
  • 会場:東京都立大学同窓会 八雲クラブ ニュー渋谷コーポラス10階 1001号室 渋谷区宇田川町12-3
  • 参加費:1000円(学生は500円)、ネット参加600円(学生は無料)
  • 詳細・申込:http://home.g08.itscom.net/ebizuka/

内容

英国とフランスで年内にも安楽死法が成立しそうだ。フランスでは5月27日に下院を法案が賛成305票、反対199票で可決された。欧米諸国で安楽死はこれからも広がるだろう。日常生活の中に安楽死は浸透し、映画や小説の世界ではしばしば登場するようになった。2002年にオランダで世界初の安楽死法が施行され、以後、ベルギーやコロンビア、そしてカソリック信者が多いスペインで4年前、ポルトガルで2年前に安楽死が法制化された。米国では10州が合法化されている。カナダでの安楽死選択者が増えているのが最近の大きな話題だ。オランダと並んで死者の5%が安楽死を選ぶ州が出ている。20人に1人である。日本では、橋田寿賀子さんが「安楽死で死なせて下さい」を8年前に出版したが、その後議論は消えてしまった。延命治療を拒否して自然な死を迎える尊厳死と混同されるほど理解が進んでいない。安楽死の本質は「自分の人生は自分で決める」ということにある。自己決定は人の本来のあり方であるはず。人間の終末期の迎え方にとどまらず、人としての生き方に直結するのが安楽死問題。世界の趨勢とそれに背を向ける日本人のありようを考えたい。

講師のプロフィール:
浅川澄一氏(ジャーナリスト、元日本経済新聞社編集委員)
1948年東京生まれ。東京都立西高校卒。1971年、慶應義塾大学経済学部卒業後に日本経済新聞社に入社。西部支社(福岡市)に勤務後、東京本社流通経済部で流通企業、ファッションビジネス、サービス産業などを担当。1987年11月に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長。5年間編集長を続け、その後、流通経済部長、マルチメディア局編成部長などを経て、1998年から編集委員。高齢者ケア、介護保険制度、少子化、NPOなどの分野を担当。2011年2月、定年退社したが、引き続き同じ分野の取材、執筆を続けている。