コカ・コーラ社 ベトナムの河川でロボット船によるプラスチックごみ除去プロジェクトを展開 海洋への流出前に阻止・回収めざす

アメリカのコカ・コーラ社は、オランダ・ロッテルダムに拠点を置く非営利財団法人オーシャン・クリーンアップ(The Ocean Cleanup)社と提携し、ベトナムにおけるプラスチックごみ汚染問題に取り組むプロジェクトをスタートすると発表した。

 

環境省の資料によれば、ペットボトルや漁具、ポリタンク、洗剤容器などの廃棄物に由来する海洋へのプラスチックごみの流出は、世界全体で478~1,275万トン/年(2010年推計)。

特に中国や東南アジアからの流出が多く、ベトナムでは28~73万トン/年(同)で、流出量は世界で4番目に多いと見込まれている。

 

こうした中、今回発表されたプロジェクトは、プラスチックごみが海洋に流れ込む前に、主要な水路でプラスチックごみを阻止することを目的としたもの。

コカ・コーラ社は、メコンデルタ地方の重要な水運路である「カントー川(Cần Thơ)」において、オーシャン・クリーンアップ社が開発した海洋ごみ除去ロボット「インターセプター(Interceptor)」を展開し、河川を流れるごみの回収に取り組む。

 

すでに2021年12月に試験運用を開始しており、今後本格稼働ののち、1日当たり最大で110,231ポンド(約50トン)のごみ除去を予定しているという。

インターセプターで回収されたごみは自動的に6種に分別され、このうちペットボトルについては、現地で廃棄物の管理団体と協力し、可能であれば新たなペットボトルに再生させるとしている。

コカ・コーラ社は、2030年までに販売する飲料1本につき1本のボトルまたは缶を回収・リサイクルすることなどを含む目標の枠組み「ワールド・ウィズアウト・ウェイスト(A World Without Waste)」を2020年1月に発表。

同年、ベトナムでは、ボトルウォーター商品「Dasani」を100%リサイクルで製造されたペットボトルで発売したほか、現地でのリサイクルを促すため、炭酸飲料商品「スプライト」を緑色のボトルから透明のボトルに変更するなどの施策も実行している。

詳細


Cover Image: courtesy of The Ocean Cleanup