作家の平松洋子さんが中村好文著『百戦錬磨の台所』の書評を「サンデー毎日」に寄稿くださいました

作家の平松洋子さんが、中村好文著「百戦錬磨の台所」vol.1&vol.2の書評を「サンデー毎日」2022年3/13号に寄稿くださいました。
台所や食に関する著作の多い平松さんならではの視点で、中村さんの台所、住宅建築家の仕事について、深く読み解いていただいております。

「本書の眼目は、“すてきなお宅拝見“ではない。(中略)他人の台所に立ち入る好奇心が発動するのは、一軒ずつの台所に投じられた創意工夫と設計技術の集大成が、きわめて人間的な香りを放っているからだ。
本書の厚みを醸すもの。それは、著者自身の、台所にまつわる濃密な背景だ。貧乏美大生の頃の食生活。触発された建築物、映画や小説、とりわけ伊丹十三の著作。事務所のスタッフたちと、毎日賄う昼食のようす。毎夏、妻と過ごすイタリア・ヴェネツィアでの休暇……折々に挟みこまれる暮らしの情景や文章にその思考と生き方が投影され、等身大の輪郭を描く。シンクに架け渡して使うオリジナルの長いまな板(欲しい!)は、だから、生活者の目から生まれた有用の美なのだ。」(一部抜粋)

掲載先の詳細

https://mainichi.jp/articles/20220301/org/00m/040/005000d