国土交通省で「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」策定 不動産の安心かつ円滑な取引のため
- 国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表した。これまで、対象不動産で過去に起きた人の死に対して宅地建物取引業者が行うべき適切な調査や告知の判断基準がなく、それが安心かつ円滑な不動産取引・流通を阻害しているとの指摘があった。これを受けて国土交通省では2020年2月から有識者会議を開始、それらの議論を踏まえて今回の公表に至った。
- ガイドラインは「取引の対象不動産において過去に人の死が生じた場合において、宅地建物取引業者が宅地建物取引業法上負うべき義務の解釈について、現時点における裁判例や取引実務に照らし、一般的に妥当と考えられるものを整理し、とりまとめたもの」となっている。
- ガイドラインで整理された項目の具体例として、以下が挙げられている。
・宅地建物取引業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、過去に生じた人の死について、告知書等に記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものとする。
・取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。
・賃貸借取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死以外の死が発生し、事案発生から概ね3年が経過した後は、原則として告げなくてもよい。
・人の死の発生から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合等は告げる必要がある。
詳細
「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました
(2021/10/8|国土交通省)