山梨知彦×坂牛卓×日本建築協会U-35委員会「組織設計・ゼネコンで設計者になる 入社10年目までのはたらきかた」

組織設計事務所やゼネコン設計部で働く社会人1~10年目の若手設計者たちが、リアルな実体験を持ち寄った『組織設計・ゼネコンで設計者になる』。本書の刊行を記念して、本には書き切れなかった実務の舞台裏を語っていただくトークイベントを開催しました。

ゲストにお招きしたのは、日建設計チーフデザインオフィサーの山梨知彦さんと、建築家の坂牛卓さん。組織の設計者としてチャレンジングな建築作品を数多く生み出してこられた山梨さんと、日建設計で組織の設計者として経験を積まれた後、独立された坂牛卓さん。坂牛さんは3月に『会社を辞めて建築家になった』という書籍を上梓され、ある種真逆にも思える(?!)進路を選択された設計者です。

お二人の知られざる新人時代などについてもお話をお伺いしつつ、若手時代のやりがいや葛藤、10年目の“その先”についても、ざっくばらんに議論を深めていきたいと思います。設計者を志す人ならだれもが一度は通るであろう「組織か独立か」という突っ込んだ議論にも話は展開。

これから就活を始める組織設計事務所・ゼネコンに興味がある建築学生も、社会人1~3年目で奮闘している方も、あるいは4~8年目で言い知れぬモヤモヤを抱える方も、いろんな立場で自分ごととして耳を傾けられるトークになるはず。17人の若手設計者と山梨さんの車座の議論を、ぜひお楽しみください!

北欧のスマートシティに学ぶ、ウェルビーイングな都市づくり |『北欧のスマートシティ』出版記念トーク

世界各地でスマートシティの取り組みが活発化しています。北欧(デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド)で取り組まれているスマートシティは、アメリカや中国といった政府・大企業主導の取り組みとはまったく異なります。

新刊『北欧のスマートシティ』を上梓された、デンマーク・ロスキレ大学の安岡美佳さんに、北欧のスマートシティの特徴についてお話を伺います。デジタル化は暮らしをどのように変えたのか、スマートシティの事業によってどんな産業が伸びているのか、多様なステークホルダーが共創する場のつくり方、街で多様な実験を繰り広げるリビングラボの実態など、現地に暮らす専門家ならではの視点で、解説いただきました。

また、特別ゲストとして、フィンランドを拠点に北欧・バルト地域のスタートアップに投資を行うベンチャーキャピタル、Nordic Ninja VCのマネージングパートナー、宗原智策さんをお迎えし、スマートシティの発展に欠かせないスタートアップの役割についてご講演いただき、後半は対談ゲストとして、デンマークの設計事務所での勤務経験をお持ちの矢野拓洋さんにご参加いただき、テクノロジーを活用して理想の生活を追求する北欧のウェルビーイングな都市づくりについて、安岡さんとディスカッションいただきました。

新保奈穂美×佐倉弘祐「農から建築を問いなおす」

郊外の耕作放棄地、都市公園の一角、商業施設の屋上、団地の敷地――。まちのスキマに点在する未活用空間に、都市住民の手による農園が増えています。都市での暮らしを豊かにするだけでなく、空き地の利活用、コミュニティの再生、都市の緑化、環境教育や食育などさまざまな課題解決に貢献できる、そんな「都市型農園」の可能性を、もっと探りたい! このイベントシリーズはそんな思いのもと、『まちを変える都市型農園』著者の新保奈穂美さん(兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科講師、兼、兵庫県立淡路景観園芸学校景観園芸専門員)をホストに迎えて開催。今回は福山市立大学講師でまちづくり活動家の大谷悠さんをゲストにお迎えし、そもそも“都市のスキマ”はどこにあるか?本当にスキマから都市の価値を高められるのか? そこに農はどう関わるのか?市民によるボトムアップのスキマ活用はどのように進むのか?行政は市民のゲリラ的活動にどう関わるべきなのか?変化する都市の状況にステークホルダーはどう向き合うべきなのか?など、さまざまな角度から深掘りしました。

丸山弾×半海宏一「木造住宅を設計する──日々のエスキス・図面・現場」

2022年8月に刊行した半海宏一さんの著書『現場と図面をつなぐ 図解 木造住宅の設計』では、軸組モデル×図面の紙面構成で1本の線が空間になるプロセスを可視化し、 1軒の木造住宅が建ち上がる過程を解説しました。 エスキス、図面の描き方・読み方、現場の見方、職人さんとのコミュニケーションなどあらゆる “新米設計者の困難” に寄り添い、その先に広がる木造住宅設計の世界へ踏み出すはじめの一歩です。イベントでは建築家の丸山弾さんをお招きし、 お二人の実作を読み解きながら 、そんな苦労を乗り越えるからこそ見えてくる仕事の楽しさ・ 奥深さをお話しいただきました。日々図面と現場を行き来し、木造住宅と向き合っているお二人のトーク、ぜひご覧ください。
孤立や分断が進み、出口が見えない争いを続ける現代。 最も身近でありながら最も遠い「生き物」との関係を考えるために、今回の特集では植物・庭と人間との関係を手がかりに「ベジタル(植物的)な未来」を考察しています。

イベントには、本書の編集長をつとめる山下正太郎さん(ヨコク研究所・所長)、編集担当の黒鳥社の若林恵さんを招き、特集に「植物倫理」を選んだ理由から、インタビューした岡﨑乾二郎さんや飛騨の木工作家・牧野さんの取材裏話、WORKSIGHTリニューアルにこめた意図、編集体制、企画のあり方までお話を伺いました。

新保奈穂美×大谷悠「都市をスキマから面白くする」

郊外の耕作放棄地、都市公園の一角、商業施設の屋上、団地の敷地――。まちのスキマに点在する未活用空間に、都市住民の手による農園が増えています。都市での暮らしを豊かにするだけでなく、空き地の利活用、コミュニティの再生、都市の緑化、環境教育や食育などさまざまな課題解決に貢献できる、そんな「都市型農園」の可能性を、もっと探りたい! このイベントシリーズはそんな思いのもと、『まちを変える都市型農園』著者の新保奈穂美さん(兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科講師、兼、兵庫県立淡路景観園芸学校景観園芸専門員)をホストに迎えて開催。今回は福山市立大学講師でまちづくり活動家の大谷悠さんをゲストにお迎えし、そもそも“都市のスキマ”はどこにあるか?本当にスキマから都市の価値を高められるのか? そこに農はどう関わるのか?市民によるボトムアップのスキマ活用はどのように進むのか?行政は市民のゲリラ的活動にどう関わるべきなのか?変化する都市の状況にステークホルダーはどう向き合うべきなのか?など、さまざまな角度から深掘りしました。

山納洋×中橋恵「ナポリの『インフォーマルな繋がり社会』を解く」がくげいラボ×Talkin’ About  vol.17

山納洋×中橋恵「ナポリの『インフォーマルな繋がり社会』を解く」がくげいラボ×Talkin’ About  vol.17

大阪ガスネットワーク都市魅力研究室長/common cafeプロデューサーの山納洋さんがホストとなり、面白い!と思っているゲストを招待、時には参加者を交えてざっくばらんに議論していただく連続トークイベント「がくげいラボ×Talkin’ About」
第17回目の本イベントではイタリア・ナポリ在住で学芸出版社でも数多くの書籍をお書きいただいている中橋恵さんをゲストにお呼びしました。
山納さんからのコメントをご紹介いたします。

ナポリ旧市街にあるサニタ地区には、高層のパラッツォが密集し、 元々住む住民と流動性の高い移民が混在して暮らしています。 犯罪の巣窟とも呼ばれる地域ですが、 最近は路地や公共空間の自由な使い方、 他者の視線も気にせず繰り広げられる超アナログ的生活、 住民たちが形成しているインフォーマルなコミュニティに興味を持つヨーロッパの若者が足を運んでいるそうです。今回は中橋さんにサニタ地区の現状を紹介いただき、 コミュニティにおける繋がりの可能性について考えを深める議論を行いました。

吉備友理恵×石塚理華×川地真史×富樫重太『共創に向けたパーパスのつくり方・生まれ方』

従来のように企業や生活者、行政がそれぞれ課題に対峙するのではなく、無数の課題がつながりあう複雑性に取り組むために企業も行政、生活者も各々の立場から手を取り合うこと、つまり「共創」が求められます。

一方、共創は言葉で言うほどに簡単ではありません。それには、多様に異なるステークホルダーがそれぞれの大切にしたいことを抱きつつも、「共有できるパーパス=存在意義」が存在していないこと。また、何かしらの変化を求める最初の数人の「想いや衝動」が不可欠なこと。こうした要因が共創を作用させるためには必要だとはよく説かれます。

では、このパーパスはどのように形成されていくものなのでしょうか。明確なWHYは初めから存在しうるのでしょうか。共創とはまた、必ずしもそのWHYを関わる全員が理解し、浸透されなければうまくいかないものなのでしょうか。

今回は、「パーパスモデルとはなにか」「パーパスの生まれ方とは?」といった問いを、多彩な海外事例や、自治体や社会課題に対峙してきた公共とデザインのメンバーのプロジェクト事例も交えた対談セッションを通じて探求します。

【こんなかたにおすすめです。】
・組織や部署、立場を超えたプロジェクトに携わっている
・より多くの人を巻き込みながらプロジェクトのインパクトを創出したい
・共創のための知見やノウハウを詳しく知りたい
・行政職員として、住民と一緒にまちづくりを行いたい
・共創に対する周りの理解を得るためのヒントを探したい