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[レポート]2019年第5回都市環境デザインセミナー|小さな空間から都市をプランニングする〈市民編〉(2019/08/02|大阪)

2019年第5回都市環境デザインセミナー
小さな空間から都市をプランニングする〈市民編〉
武田重昭・杉崎和久・吉田 哲・穂苅耕介

今回のセミナーでは『小さな空間から都市をプランニングする』という本を上梓された日本都市計画学会都市空間のつくり方研究会から、この本の1・3節「自負心が支える市民の営み」に寄稿された四人をお招きし、仏生山まちぐるみ旅館、五条界隈、おやすみ処ネットワーク、善光寺門前の事例を報告いただきます。

いずれも市民の自分たちのまちをよくしたい、楽しくいたいといった気持ちが、地域の新しい価値創出に繋がってきた事例です。

これらは商店街振興組合やまちづくり協議会のような組織が行政と協働して実現しているということではなく、かといって自然発生的でバラバラな動きが市場のなかで最適解にたどり着いたというわけでもありません。

こうした小さな活動の担い手は、自分なりの都市や社会のあるべき姿を描き、できる範囲で小さな変化を起こしていくことで、共感する主体に連鎖してゆき、結果的にまちを変化させてきたと筆者は主張しています。

本当なのか?
それは持続するのか、都市全体に波及する力になるのか?

都市計画や都市環境デザインはこうした思い・動きをどう受け止めるべきか?
会場の皆さまも交えて議論したいと思います。

セミナー委員 前田裕資

✎イベントレポートは絶賛執筆中です、お楽しみに。

✎参加者の感想

鳴海邦碩先生

かつて柳田国男は、村の調査の際に、いつも最後に<幸せの村はありますか?>と聞いたそうだ。しかし近代の村のなかには、どこにもそれはなかったという。

今回の皆さんのお話を通じて、「幸せなまち」はあるということを知り、幸せな気持ちになりました。武田さんがそんなまちにしばしば行くということでしたが、それは「幸せな」ふるさとに時々帰ることに似ているのかもしれません。そうした旅がこれからは増えるような気もします。

お話を聞いていて、「俳句や川柳」の投稿を連想しました。「投稿」して、採用されるかされないかで一喜一憂する。自分の暮らしを詠い、それを投稿し、採用され、発信されることが喜びになる。「ソトノバ」のジャーナルもそうなのですが、自分事を発信すること自体の喜びが底流にある。これはまちづくりジャーナルの新しい時代を示唆しているのではないかと思います。

鳴海邦碩/JUDI関西フォーラム委員長


今回事例として紹介された空間はどれも個性的かつ魅力的で、一度訪れてみたいと感じる場所ばかりでした。

「ビジネスの感じがしない。」という意見がありましたが、私はこれらの事例は「効率性」「生産性」「利便性」といったビジネス、グローバリズムの世界とは対極にいるようで、実はつながっていると強く感じました。「ビジネスの感じがしない。」から魅力を感じる。でも、観光地のようないわゆる「非日常」とも違う。

グローバルなやり方に息苦しさを感じた人達がコツコツと手作りで作り上げた「居心地のいい場所」。しかし、「ビジネスの感じ」はしないけど、ビジネスとして成り立たせなければならない。それは誰にでもできることではなく、だから余計に魅力的に映るのだと思いました。

武田先生の「ビルの中にも路地がある」というお言葉がとても印象に残っています。それから、「行政にプランニングマインドがなくなってきてるんじゃないの?」という言葉も・・・人間もそうですが、「まち」にも隙間とか余裕が大事なんだと改めて思いました。

生物多様性ではないですが、人間多様性というか、もっといろんな「まち」があってもいいですよね。

冨田 聡一郎(尼崎市)

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2019年第5回都市環境デザインセミナー 小さな空間から都市をプランニングする〈市民編〉 武田重昭・杉崎和久・吉田 哲・穂苅耕介

日時|2019年8月2日(金)18時開場、18時30分開演~20時30分
場所|大阪市立生涯学習センター 第5研修室
会費|会員500円/会員外1000円/学生500円
定員|30名

プログラム

  1. 趣旨説明(武田)
  2. 事例報告
    • 仏生山(武田)
    • 五条界隈(杉崎)
    • おやすみ処ネットワーク(吉田)
    • 善光寺門前(穂刈)
  3. パネル
    • 話題1:「小さな空間の価値を大きな都市につなげる10の方法」
    • 話題2:「プラニングマインド-都市全体を見つめる計画的思考」
  4. 会場との質疑応答
  5. 感想(鳴海邦碩)

講師プロフィール

武田重昭(たけだ・しげあき)

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科准教授。
1975年生まれ。UR都市機構、兵庫県立人と自然の博物館を経て現職。博士(緑地環境科学)。技術士(建設部門)。登録ランドスケープアーキテクト。共著書に『いま、都市をつくる仕事』(2011、学芸出版社)、『都市を変える水辺アクション』(2015、学芸出版社)ほか。

杉崎和久(すぎさき・かずひさ)

法政大学法学部教授。
1973年生まれ。東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程単位取得満期退学、
(財)練馬区都市整備公社練馬まちづくりセンター、(公財)京都市景観・まちづくりセンターを経て、2014年より現職。

吉田 哲(よしだ・てつ)

京都大学大学院工学研究科建築学専攻准教授。1968年生まれ。建築計画学。博士(工学)、一級建築士。共著書に『建築MAP京都』(1998、TOTO出版)、『Toward Sustainable Urban Infrastructure in East Asia(Urban Environment 4)』(2014、京都大学学術出版会)ほか。

穂苅耕介(ほかり・こうすけ)

豊橋技術科学大学特任助教。1981年生まれ。芝浦工業大学システム工学部卒業、千葉大学大学院都市環境システム専攻修了、京都大学大学院都市環境工学専攻修了。博士(工学)。大学非常勤講師や研究員などを経て2016年より現職。専門は、都市・地域計画。

主催|都市環境デザイン会議関西ブロック

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