まちのリスクマネジメントを問う手がかりになる10冊

暮らしの足場を揺らがせるリスクのありか

地震や台風、豪雨をはじめとする天災による被害が毎年相次いでいます。同時に、交通事故や火災など、人々の営みにより密接にかかわる要因により、まちそのもののありようやそこで暮らす人の生活が脅かされる事態も少なくありません。さらに近年では、人の移動の活発化により、経済効果の一方で地域の内外で生まれる軋轢や分断への対応に苦慮するまちもみられるようになっています。今回は、そうしたまちの地盤を揺さぶる様々なリスクについて考えなおす手引きとなる書籍をご紹介します。

1.旅行者の満足と地域の利益を両立する観光へ

『オーバーツーリズム 観光に消費されないまちのつくり方』高坂晶子 著

2.UR都市機構による地域防災事業35年の全貌

『密集市街地の防災と住環境整備 実践にみる 15 の処方箋』 UR 密集市街地整備検討会編著

3.片付け・相続・耐震・お金の話と活用の実例

『空き家の手帖 放っておかないための考え方・使い方』六原まちづくり委員会、ぽむ企画著

4.道路活用の方法論を国内外の多数の成功例で解説

『ストリートデザイン・マネジメント 公共空間を活用する制度・組織・プロセス』 出口敦・三浦詩乃・中野卓 編著

5.クルマ依存から脱する行動転換を促す成功例

『モビリティをマネジメントする コミュニケーションによる交通戦略』藤井聡・谷口綾子・松村暢彦 編著

6.住民・企業・行政の連携で災害に備えよう

『減災と市民ネットワーク 安全・安心まちづくりのヒューマンウエア』三舩康道 著

7.未来に継承するために何ができるのかを問う

『テキスト文化遺産防災学』立命館大学「テキスト文化遺産防災学」刊行委員会 著

8.地域社会の仕組みづくりを総合的に提案する

『過疎地域の戦略 新たな地域社会づくりの仕組みと技術』谷本圭志 ほか編著

9.計画的な集落移転で、共同体の持続をはかる

『撤退の農村計画 過疎地域からはじまる戦略的再編』林直樹・齋藤晋 編著

10.天災多発の今こそ、災害を受け流す知恵に学ぶ

『歴史に学ぶ 減災の知恵 建築・町並みはこうして生き延びてきた』大窪健之 著