伝わる図面の描きかた
住宅の実施設計25の心構え

販売中
試し読みあり

関本竜太 著

内容紹介

「どこに気を配るべきか」を知る実施図面集

設計意図が正しく伝わるよう綿密に気を配った図面は、施工のミスを防ぎ、工務店との関係性や施主の満足度を向上し、ひいては建築家自身の設計環境をも高める。本書は1軒の住宅を素材に、実施図面を描く際の心得や現場を見据えた工夫、設計にフィードバックするための勘所を、写真やありがちなエピソードも交えて解説する。

体 裁 B5・124頁・定価 本体2800円+税
ISBN 978-4-7615-2765-5
発行日 2021/03/10
装 丁 美馬智


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sample:03|図面情報はバイプレイヤーで決まる

sample:17|現場との対話を織り込む

KOTIについて

Ⅰ 伝わる図面を描くための心構え

1|線のメリハリは図面の生命線
2|仕様書は最小限に
3|図面情報はバイプレイヤーで決まる
4|読み手の読み方を想像する
5|ミスを前提にした描きかた
6|ダブルチェックでミスを見逃さない

Ⅱ 現場に正しく伝えるための工夫

7|把握情報は漏れなく盛り込む
8|意匠と設備の整合性を心がける
9|配置図は境界ポイントの設定から
10|配置図には周辺情報も忘れずに
11|立面図は描ききるが基本
12|特記仕様にノウハウを記載する
13|伝わる設備スペックを心がける
14|仕上げは決定を先送りしない
15|建具表は情報を集約する
16|矩計図はルールブック
17|現場との対話を織り込む

Ⅲ 設計にフィードバックするための勘所

18|快適な寸法は身体感覚から
19|設計に活かせる敷地写真の撮り方
20|正確な設計は敷地レベルの把握から
21|部屋は家具の配置で決まる
22|家電問題を設計で解決する
23|収納の決定に役立つ寸法単位
24|設計の伏線は床伏図で回収する
25|架構の整合性は軸組図で確認する

コラム

1|我々はどこを向いて仕事をするのか?
2|住宅はストーリーが大事
3|工務店とは対等に
4|リオタデザイン的設計とは
5|真にサステイナブルな住まいとは
6|さらなる仕事の高みを目指して

関本 竜太

株式会社リオタデザイン代表。
1971年埼玉県生まれ。1994年日本大学理工学部建築学科卒業。1994~99年エーディーネットワーク建築研究所。2000~01年フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)留学。2002年2月リオタデザイン設立。2008年OZONE P1グランプリグランプリ受賞。2007・09年TEPCO快適住宅コンテスト作品部門入選。2014年住まいの環境デザインアワード優秀賞。2017年屋根のある建築作品コンテスト住宅部門優秀賞。2008~2020年日本大学理工学部非常勤講師。日本建築家協会(JIA)会員。北欧建築・デザイン協会(SADI)理事。単著に『上質に暮らす おもてなし住宅のつくり方』『建築知識2019年7月号―リオタデザイン関本竜太が教える木造住宅できるまで図鑑』、共著に『現場写真で学ぶ実施図面の描き方 (建築設計シリーズ)』(いずれもエクスナレッジ)。

ドラマや映画に出てくる建築家たちといえば、格好良くスケッチを描き飛ばし、その造形や世界観を追求する姿が印象的です。ところが描かれるシーンはそこまで。次のシーンではもう建築ができあがっています。エッ、もうできちゃったの!? 建築に携わる実務者ならみんな、心の中でツッコんでいることでしょう。建物を建てるということは、そう簡単ではないはずなのに……。
もっとも、そこからはじまる地道な実施設計や現場監理の様子など描いたところで絵になりませんし、無駄に尺を喰うだけです。ある意味、我々建築家は世間から最も誤解されている職業の一つともいえるかもしれません。

建築を実現するためには、避けては通れないいくつものプロセスが存在します。その中でも最も地味で、かつ世間にほとんど理解されていない工程の1つが「実施設計」かもしれません。先のドラマや映画に例えれば、原作のストーリーに基づき、役者の台詞や仕草を細かく書き起こした脚本のようなものとでも言いましょうか。これがなくては、役者も演出家も仕事になりません。

私の主宰するリオタデザインでは、年間に竣工する住宅の数は多くても5~6軒といったところ。小住宅であっても1軒につきおよそ4ヶ月程度の実施設計期間を設けているため、2~3人のスタッフでこれらを回すことを考えると、これ以上の数はこなしきれないというのが実情です。

効率的により多くの住宅設計をこなそうとする設計者であれば、実施設計をいかに省力化するかを考えることでしょう。ですが、もしかしたらそんな方はこの本は閉じた方がよいかもしれません。残念ながら、ここにはその真逆のことしか書かれていないからです。

工務店は、設計者から受け取った図面がどんなに拙かったとしても、その通りに施工しなくてはならない義務が生じます。信じて乗っかった船が、願わくは泥船でないことを施工者たちは祈っているわけです。そのために、我々はどんな図面を描かなくてはいけないのでしょうか?

とある現場でのことです。大工の使っている製本図面をふと見ると、左上に「バイブル」と書かれていました。これには感激しました。その大工は、細部まで穴が開くほど、我々の図面を読み込んでくれていたのでしょう。描かれている通りに作ってゆけば、すべてが整合のとれた状態で美しく仕上がる、そう信じて疑わないというさまがそこから伝わってきました。そんな彼にとって、我々の図面は確かに、進むべき道を指し示す「バイブル」そのものだったに違いありません。

誠実に描かれた図面は、作り手の心を動かします。どんなに複雑で凝った作りであっても、それをどうやったら実現できるのか、一生懸命考えて図面を描いて持っていけば、職人さんは話を聞いてくれます。ノミやカナヅチの代わりに、我々は図面を描くことで、現場と対等にものづくりをしているのです。

実施設計の進め方は人それぞれですし、事務所の数だけ作図のルールがあることでしょう。しかし事務所が変わろうとも、また製図の手段が手描きからCADになろうとも、作図の基本は1つしかありません。それは「伝わる図面を描く」ということです。

本書には、我々がこれまでに経験してきた、建築実務における“あるある”が網羅されています。経験の浅い若い設計者や、私のように事務所を主宰されている方にとって、本書が座右の書となりましたら幸いです。

2021年1月
関本竜太

学芸出版社の編集者、松本優真さんより初めてメールを頂いたのは、2019年の11月頃のことでした。住宅の実施設計について解説した本を執筆してもらいたいというのがその依頼でしたが、正直最初はどうしたものかと迷いました。実施設計を解説した本なんていかにも眉間に皺が寄りそうで楽しくない。私もそのようなムズカシイ本を読むのは苦手だからです。

ですが一方で、いつも所内でスタッフたちに噛んで含めるように言い聞かせていること──それは蘊蓄やノウハウというよりも設計に向き合う“心構え”のようなものに近いのですが──そういった内容であれば、若い実務者にとっても自らの作図を見直し、設計を進めるうえでの指針になるのではないかと思い、お引き受けすることにしました。

執筆は奇しくも新型コロナウィルス感染拡大により、日々報道に緊迫感が増すなかで書かれました。先行きの見えない不安のなか、本書の執筆に集中できたことは不幸中の幸いでもありました。
いつの頃からか、我々の描く実施設計図面はなぜか業界の一部でも有名になってしまいました。

「リオタの図面は細かい」
「寸法がいっぱい描かれている」

間違いではないのですが、どうも誤解も多く含まれているようです。それらの言葉はどうも「描きすぎ」とか「施工が大変そう」というニュアンスで語られているようですが、私から言わせたら、寸法や具体的な指示の網羅されていない図面など、組み立て説明書のないプラモデルのようなものです。

これだけの情報を漏らさず施工するのは、工務店さんもさぞや大変だろうとは思いますが、そもそも図面から情報が漏れてしまっていては元も子もありません。そういう意味では、我々の図面ほど施工者に対して配慮の行き届いたものはないと私は思っています。

執筆にあたっては、日々意識的に作図しているものについては筆も進むものの、中にはルーティーンのように作成しているものもあります。そうした図面の解説については言語化も難しく、途中何度も心が折れかけました。

そんななか、担当編集者の松本さんにはいつも大らかに背中を押してもらい、助けていただきました(どんな状況でも決して否定しないその姿勢に、当時人気のあったお笑い芸人になぞらえ彼を“ぺこぱ系編集者”と名付けました)。

本書で取り上げたKOTIの設計担当は弊社スタッフの矢嶋宏紀くんでしたが、彼の正確な図面がなくては今回の書籍化も難しかったと思います。彼の多大な労をねぎらうとともに、リオタデザインを支えてくれている他のスタッフのみなさんにも、この場を借りて感謝の意を伝えたいと思います。

また今回のKOTIの施工管理を担当してくださった大和工務店の初谷仁さんには、本現場において我々の図面を凌駕するほどの緻密な施工図を大量に作図いただきました。その一部は本書でも紹介させていただいていますが、こちらのご尽力にも心より感謝申し上げます。

KOTIについては言うまでもなく建て主Iさんとの出会いなくしては語れません。こちらのエピソードについては本書冒頭に触れていますが、寛容にも書籍化にもご理解を下さり、感謝の言葉もありません。
多くの方たちのご協力のおかげで、こうして本書を世に送り出すことができますことを心から嬉しく思います。本書がどうか多くの実務者の手元へと届きますように!

2021年1月
関本竜太

関本さんより新しい本をいただきました。
本人自ら、えげつないリオタの図面、、、
と手紙にも書かれている通り、関本さんところの図面は書き込みが半端でなく、老眼には辛く、
やっぱり、えげつない、、!となる、笑。

ところが本を開いてみるとえげつ…

伊礼 智さんの投稿 2021年3月9日火曜日


リオタ関本さんから新しいご著書お送りいただきました。内容はタイトル通り、図面の描き方の本なのですが、テクニックよりも図面を書く時の心構えを書いてるところがすばらしいです。「立面は描ききるが基本」「型番には情報を添える」「納期は設計者も責任を…

飯塚 豊さんの投稿 2021年3月9日火曜日


関本さんから素敵な本が送られてきました。
「おもてなし住宅のつくり方」に続く2冊目の書籍「伝わる図面の描きかた」

KOTIというコンパクトな家一軒丸ごとの実施図面+αの描きかたが25のポイントで丁寧に解説されています。

1番目のポイント…

辻 充孝さんの投稿 2021年3月5日金曜日


【設計事務所にとって図面とは?】
関本…

古川 泰司さんの投稿 2021年3月7日日曜日


今朝、久々に事務局に言ったら、リオタデザインの 関本 竜太…

松井 匠さんの投稿 2021年3月7日日曜日


リオタデザイン関本にーさんから新刊の献本頂きました。ようやく読了(にーさん、遅くなってすみません・・・)

さて。私にとって関本さんはとにかくストイックで謙虚でコミュ力も高いという、どこに弱点があるのかが分からないスーパーにーさん。

生き…

小谷 和也さんの投稿 2021年3月8日月曜日


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